西侍の短編集【Part2】 (ページ32)

今日:6 hit、昨日:22 hit、合計:57,478 hit

• ページ32

.

「俺、迷惑かけて、ごめんなさぃ、」

後日、流星と俺で濵ちゃんの入院している病院に見舞いに行った。

すっかり顔色は戻っていて、少しずつご飯も食べれるようになったみたい。

「なぁに言うてんの、迷惑ちゃうよ」

「でも、やって、おれ、めっちゃパニックなって、絶対めんどくさかった、笑」

体は元気になった、そうやけど、心の方は回復してなみたいで。
なんとかしてかなあかんね、って照史が言ってた。

下を向いて自嘲するように笑った濵ちゃんのほっぺをむぎゅむぎゅ触りながら喋る。

「あんなぁ、濵ちゃんは俺らの大切な人やねん。俺、大切な人にそんなこと思わへんねん。ええ奴やから。」

「……」

「濵ちゃんは知らんかも知れへんけど、りゅーせーも意外とええ奴やねんで。いーがーいーとー。」

そう、カーテンを開けてくれていた流星のケツをパシっと叩く。

「痛っ！！お前ほんまっ！！クソ野郎！！」

「……えぇ、シゲちゃん、クソ野郎なんて人に言う奴が優しいわけないわ〜」

「だって、流星！……やからなはまちゃん、迷惑やなんて考えんでええねん。第一、俺らみたいなええ奴が、濵ちゃんみたいなええ奴、迷惑や思うわけないやろ」

「……っふふ、ありがとぉ、」

「いーえ、全然」

ふわりと笑って、真っ白なシーツを握っていた手の力を緩める姿にホッとする。