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違う、違う。
こんな方法で、先生と唇を合わせたかったわけじゃない。
ちゃんと合意が欲しかった。
直前になって怖くなる、弱い心。
気づいたら、動きを止めて今にも泣きそうな声で先生の名前を読んでいて。
「………ぇ、?」
先生も、拍子抜けみたいな顔をして声を漏らしていた。
「先生ごめん、こんな、もう辞めるから。
今日はありがと。あとは親に聞くわ」
教科書、ノート、筆記用具。
カバンに詰めるのも、先生引き止めてよって、わざとゆっくり。
「……ふじ、い、…?」
でも先生は、まだびっくりして動けてなくて。
あぁ、もう終わりかって。
なんかの罰ゲームで動いてたって、最低なヤツやって、
思われんのかなって。
「流星!!」
そしたら先生、おっきい声で俺の名前呼んで。
「…っ、好き、やから、行かんとって!」
そう言って、振り向いた俺にキスをした。
「んっ、?!」
よっぽど伝えるのが怖かったのか、ポロポロ涙を流している。
唇、離さんくてええよ。俺もおんなじ気持ちやで。
そんな意味で、先生の後頭部を押さえると、
先生も俺の頭を掴んでキスを長引かせた。
やっとお互いの唇が離れた時、2人ともヘロヘロで
床に倒れ込む。
「小瀧先生っ、好きやわ、!」
「〜っ、俺も、っ、!
素直になれへんくてごめん、もう、愛想尽かされたかもって怖くなって、…!」
先生は、可愛い。
女の子にも負けないくらい可愛い。
そんな先生も、今日から俺のもん。
誰にも取られないように、誰にも食べさせないように。
泣いてしまった先生のふわふわな髪に、そっとキスをした。
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作者名:Lewis | 作成日時:2022年3月20日 18時