西侍の短編集【Part2】 (ページ11)

今日:22 hit、昨日:22 hit、合計:57,494 hit

• ページ11

.

あの日のせいでぽっかり空いた心も、
消えてくれない傷跡も、おかしくなった感覚も、感情も。

全部全部、元の状態を取り戻したいのに。

もし俺があの日に戻れたら、
常に人と行動するし、
怖い思いをしないように色んな人に相談する。

「おいで、流星」

ほら、！って大きく手を広げるはまちゃん。

「……ごめん。はまちゃんがそんなことする奴やとは思ってないねん、でもっ、！」

「怖い、？」

「…………っごめん、」

なんだか気持ちが落ち着かなくて、また口に水を含む。

「いやぁ、流星あれから極端に人のこと避けるようになったやんかぁ、特に男の人は。」

「……」

「まだ俺らメンバーとは話してくれるからええねんけど、寂しいやろな〜って思うて」

近所のおっちゃんみたいにゆっくり喋る。
低くて落ち着いてて、カッコいい声。

安心できる要素が詰まってる。

やからはまちゃんとはあまり怖がらずにたくさん喋ることができる。

これでも、たくさん喋ってる。

「どれだけ辛くても、人の温もりって欲しくなるものやんか」