１３ ページ13
*
ド「やっと、自分を主人公にできるときが来たんだね」
優しい口調で、ドクターが続ける。
ド「君は生まれ持った強さのせいで、ずっと自分の中心に誰かをおいて、その誰かに代わってあらゆるものを背負っていたんじゃないか？だけど･･･」
ドクターの表情が満足そうなものになる。
「今の君の中にはその誰かはいない。いるのは君自身だ。君が、やっと本来いるべき君の中心にいて、ちゃんと君の心で今を受け止めている･･･、そんな表情に見える」
「強さなんかじゃ･･･」
でも、どこかその言葉の中には、あたしを黙らせてしまう力があった。
ド「･･･まぁいい。とにかく、検診を始めよう。まずこの用紙に色々記入してもらう」
「･･･はい」
ド「そうだ、リヴァイから預かっている薬だが、この検査の結果が出て、調合しなおすまでに1週間は見ておいてくれ」
リヴァイ･･？･･･薬？
何のことを言われているのか分からず、ドクターを見つめる。
ド「あれ･･･聞いてないのか。リヴァイが、誰かから譲ってもらった喘息の薬をここへ持ってきた」
リヴァイが･･･
ド「薬は今とても貴重なものだ。運がよかったな」
「そう･･･ですね」
あたし･･･心だけじゃなく、身体までリヴァイに救ってもらってる･･･
今日だって、リヴァイがいなきゃ溺れてたかもしれない。
今日･･･
水の中でリヴァイに抱きついた場面と、
『顔立ちがオンナになってるな』
ドクターのさっきの言葉が混ざり合って、あたしは急に顔が熱くなった。
ド「･･･ん？どうした」
「え？」
ド「異常に赤面してるのは･････ああ、リヴァイか」
「ちッ、違いますッ！こここれに記入するんですよね、鉛筆ッ貸してくださいッ」
ド「･･･黙っておくよ、皆には」
「ドクター･･･前からそんな悪い性格でしたっけ･･･。何をお考えか分かりませんが、ヘンな妄想は広めないほうが･･･あなたの今後の信用に関わります」
ド「おぉ、言うようになったねぇ」
ドクターは嬉しそうに鉛筆をこちらへ渡す。
ド「今日はもうトレーニングはないんだろう？しっかり体、休めておくんだぞ」
「･･･はい」
ド「ゆっくり書け、紅茶でも淹れよう」
ドクターが席を立ち、
紅茶･･･
リヴァイ････
わざとか、ドクター！
あたし･･･脳内がリヴァイだらけだ･･･
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「進撃の巨人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ico(プロフ) - ユイさん» ユイさん！！ごめんなさい、コメントを頂いていた通知がなぜか来ていなくて、今初めて気づきました(>人<)凄く嬉しい事を言って下さっているのに…。リヴァイに惚れて下さったなんて、もうこんな幸せなことはありません。今後ともリヴァイをよろしくお願いします！ (2017年12月20日 10時) (
レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - 進撃の巨人、あまり知らなかったんですがこれを読んで原作も見ようと思いました!それとリヴァイに惚れた (2017年11月23日 19時) (レス) id: 14b416d5bf (このIDを非表示/違反報告)
ico(プロフ) - さらさん» 一から読んで頂けてすごく嬉しいです！リヴァイへのお褒めの言葉、更新へのエール、ありがとうございます！絶対頑張ります！ (2017年11月16日 0時) (レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
さら - 今日この小説見つけて、一から読みました！リヴァイ格好いいです！最高です！更新頑張って下さい！ (2017年11月15日 16時) (レス) id: 2755443495 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ico | 作成日時：2017年11月7日 21時
