３０ ページ30
*
……SIDE IS リヴァイ……
A････？
なぜこんなところに･･･
吹き抜けになった宿舎の玄関ホール･･･ひそかに気に入っている場所。
そこのベンチに、Aが座っている。
オレは医務室で眠るAのところへ行く途中だった。
連日のトロスト区内の巨人殲滅作戦に加え、地下に拘束したエレンとの面会、そしてエレンの身柄を調査兵団に置くための根回しをエルヴィンと詰め、更にそれに必要な書類作成などに追われ、かなり疲れているはずだったが、まだ薄暗い時間に目が覚めた。
そこから眠れなくなり、会いに行けていないAのことが、無性に気になった。
医務室を覗く時間も取れねぇほど、クソ忙しかったからな･･･
ペトラやハンジにAのことは頼んでいたが、やはり心配だ。
あいつの顔を見ずに過ごすことが、こんなにも心の落ち着きを欠落させるとは･･･
情けねぇ。
寝顔だけでも見に行くか･･･
オレは部屋を出て、医務室へ向かった。
そして玄関ホールが見えたところで、違和感を覚えた。
人の気配だ。
足を止めてよく見ると、それはAだった。
石のベンチに座るAを見て、オレの足は止まってしまった。
なぜ、あんな寂しげな顔をしてる･･･
朝の光がAを照らすその姿は
お前の邪魔をする孤独など、オレが握り潰してやる･･･
お前を美しくみせる孤独なら、オレは誰にもふれさせない･･･
そう思っていた。
だが･･･
そんな顔を見せられては、お前の孤独がどこにあるのかわからなくなる。
オレに預けていたんじゃないのか･･･？
お前の孤独は･･･これまでに亡くしてきた家族や仲間･･･そして自分自身の命の危機も含め、お前の周りに常に漂う死の香り･･･
だが、それを誰にも預けられなければ、いつか孤独に飲み込まれちまう。
オレは地下街からこの地上へ来たとき、エルヴィンと出会い、孤独をヤツに預けることで飲み込まれていた孤独から救われた。
オレには見えない何かを見ているヤツの目を追い、未来に向ける目をオレは手に入れた。
そしてお前と出会い、その孤独に気づき、オレが預かってやりたいと思うようになった。
お前と、未来を見たい･･･
そう思ったからだ。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ico(プロフ) - じゅりさん» リヴァイをお褒め下さりありがとうございます！！最初っから見て頂けてめっちゃ感激です！続きがんばりますね(^^)/ (2018年3月23日 18時) (
レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - 最初っから見ました！！リヴァイがかっこよすぎてニヤニヤものですww続き楽しみにしてます！頑張ってください´`* (2018年3月22日 22時) (レス) id: 9e6c1be654 (このIDを非表示/違反報告)
ico(プロフ) - アルナさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！楽しみにして下さって幸せです！がんばります！ (2018年3月6日 11時) (レス) id: ba96530b2c (このIDを非表示/違反報告)
アルナ - すごく面白いです！続き楽しみにしてます！更新頑張ってください！ (2018年3月5日 22時) (レス) id: cf605af29c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ico | 作成日時：2018年3月3日 15時
