志操堅固な彼女【完】 (ページ9)

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その日を境に、なぜか田中樹が私の周りをうろちょろするようになった。

「俺も次の授業一緒だから隣、座ってい？」

返事聞く前に座ってるから聞いてる意味ある？

「昼飯、一緒に行こうよ。ジュンナもいて良いからさ。」

ジュンナがおまけみたいな言い方だけど、こっちからしたら田中樹がおまけだわ。

「もう授業終わり？なら一緒に帰ろ？」

いや、あなた午後からもうひとつ授業あるでしょ？

「今日もAちゃんのご飯美味しかったー！俺、あんまり飯とか興味ないけどAちゃんの飯なら毎食食べれる！」

あの日からよくうちに居座るようになった田中樹。

しかもいつか使うかもしれないから、とか言ってスエットと下着のワンセットを勝手に私のクローゼットにいれていた。

『なんか最近、よく会うっていうか…、田中くん私のストーカーなの？』

「ねぇ、なんでずっと田中くんなの？樹って呼んでよ。きょものこともジェシーのことも名前で呼んでんじゃん！！」

…私の話は無視か。無視なのか？

『食べ終わったんなら帰ってよ、田中くん。』

「いや、無視！？樹が無理ならじゅったんで良いから！」

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