志操堅固な彼女【完】 (ページ5)

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『タバコ臭いな…、はやく帰ってお風呂入ろ。』

「彼氏に会うから？」

いきなり話しかけられてビクッとする。

『っっっ、びっくりした…。え、どうしたの？タバコ、中でも吸えるよ？』

「いや、Aちゃん出てくの見えたから…。」

あんなに女の子に囲まれて話しかけられてたのに、周りのことちゃんと見えてるんだ。
彼が優しいと言われる理由のひとつなんだろうなと思った。

『気にしなくて良かったのに。じゃぁ、私帰るね、お金はジュンナに預けてるから。』

「……、タケルってやつに会いに行くの？」

『会いに行く、って言うか…。』

「Aちゃん家に来るの？いまから？」

『来るっていうか……。うん、まぁある意味そうだね。』

「……彼氏、だよね？」

『そうだとしても、田中くんに関係ないよね？』

「………、家まで送らせて。」

いや、なんで？無理だよ。

『いや、無理。困るよ。なんで？』

「彼氏に見られたら困るの？…だったら困れよ。」

なんて言われて腕を掴まれタクシーに乗せられた。

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