完全包囲【完】

7 ページ7

.




「……あ、うん。全然、ジェシーでもなんでも。…えっと、あの、白川さんのことはなんて呼んだら良い？」



『えっと、私はここにいるみんなからAって呼ばれてるから…、Aでも良いし…、好きなように。』



「あー…うん、じゃぁ最初はAちゃんって呼ぶね。」






最初は、ってなに。
もう少し仲良くなってから呼び捨てしますってこと？



同性からも異性からも名前を呼び捨てにされることが多いから"ちゃん"付けはなんだかくすぐったい。









『あのね、ユーナからジェシーくんの話聞いて…、』




「えっ！？」


いや、声でかっ。
びっくりしてジェシーくんを見る。





あ…、目逸らされちゃった。






「………俺の話って？」



『私と同じで人見知り………あ、違った。シャイだよって教えてもらって…、だから勝手に同士だと思って親近感が湧いて…。』



「あー…、いや、うん。慣れたらね、そんなことないんだけど。」



『ｪﾍﾍ、同じだね。だからたくさん話しかけてくれるユーナとか、モリとか樹くんはすぐ友達になれたの。』



「大我は？」



『きょもはね、同じアニメが好きで…あの探偵のやつ。……………ジェシーくん好き？』




「へっ？あっ、なにを？」

めっちゃ声裏返ったね、ジェシーくん。








『え、探偵のアニメ。』




「………だよね、そっちだよね。えっと、きょもみたいに詳しくはないかな…。」



.

8→←6

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す