完全包囲【完】

ジェスの奮闘大作戦　1 ページ38

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昔からの腐れ縁のうちの1人、樹が高校に入ってからずっと同じ女の子を気にかけている。

というか、はたから見れば付け回してるに近いかもしれない。







「樹、珍しくない？女遊びもやめたし、ついに本命できたの？」


「あぁ…樹が気にかけてる子？白川Aって言うんだけどさ、なんか変な先輩に好かれたみたいで樹が男避け役買って出てるらしいよ。」


きょもに問いかけたらそう、教えてくれた。






「まだ入学して2ヶ月もたってないのに？可哀想〜。女の子は力じゃ勝てないから大変だね。まぁでも樹がいるなら大丈夫か。」


樹は女の子大好きだけど、そういうめんどくさい事を自ら買って出るタイプではないから白川さんってどんな子なんだろって少し気になって時々目で追っていた。








見ていて気付いたのは、入学早々に先輩とのいざこざがあったからか樹くらいとしか男と話してるの見たことがない。



『樹くん、今日ユーナがタピるって言ってたけど来る？』

少し、舌足らずな甘えたような話し方は男心をくすぐるものがあった。





「あー、ならきょもも誘っていい？Aがメガネ探偵好きらしいって言ったら興味持ってた。」

……俺も誘って欲しいな。





って、俺キモっ！
樹たちの会話を盗み聞きしたみたいになってしまったし、誘ってほしいとかなんでだよ。


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