完全包囲【完】

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『ときに、モリさん。』


「なんですか、Aさん。」


『ジェシーくんから私の話聞いたりする？』


「えっ？」

いや、声でかいな。
なんでこの軍団の人たち音量調節できないの。





『なんか、嫌われてはないと思うけど好かれてもないなって思って。モリ、なにか聞いてないかなって。』



「いやいや、そんなことないでしょ。」



『でもね、ちょっと思うところがあって………、』

なにを？なんてモリらしからぬ真面目な顔で聞いてくれる。






『いつもアメリンカンジョーク連発するでしょ？ジェシーくんって。』



「あぁ、まぁそうね。」



『私の前では、1回もしてくれたことないの。オンラインで繋いでる時も、モリたちと騒いでるジェシーくんの面影すら感じなくて。だから知り合い以上友達未満の距離置かれてるのかなって。』


こっちは至極真面目に言ってるのに、
吹き出したように笑うモリ。




『っ、なっ、なんで笑うのー！』




「それ、カッコつけてるだけだよ。ジェシーが。Aは気にしなくて良い。」



『そんなこと言われても気にするよぉ…。』



「なんでだよ、気にすんなって。まぁ俺からも言っとくよ。」



『うん…。』


とは一応、答えたものの気にするよ。






なんで気にするの？って自問自答を繰り返す。






嫌われたくないから？




それはなんで？




友達になりたいから？






ううん、もっと欲深いこと思ってる。


もしかしたら私、ジェシーくんのこと
好きなのかもしれない。


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