ことばのチカラ ２【完】

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慎太郎くんから着いたよって連絡がきて、お泊まりセットを持って下に降りる。




いつもジェシーくんが助手席から手を振っていたりするのに、いないから慎太郎くんのお家で待ってるのかな？なんて思ってた。





ジェシーくん居ないからって助手席に座る勇気はなくて、後ろの扉に手をかけようとすると助手席の窓が開く。






「いやいやいや、なんで後ろ？(笑) 寂しいから前乗ってよ。」



『え、でも…、』



「大丈夫大丈夫、帽子とマスクしてるから。」



『んー…じゃぁ、えっと お邪魔します、』





なんて車に乗り込んだけど
助手席ってこんなに緊張するの！？




帽子とマスクでほぼ顔は隠れてるけど、慎太郎くんの運転姿を横から見られる日が来るなんて思ってもみなかった。





なんだか恥ずかしくなって胸の前にあるシートベルトを両手でギュッと握りしめる。






「お祝いって言ってもさ、出前とかなんだけどいい？」



『うん、全然！……慎太郎くんにお誕生日お祝いしてもらえるだけで嬉しい…、』



「ははっ、あんま可愛いこと言ったらダメよ？」






なんて言いながら、シートベルトを握りしめている私の手を取り恋人繋ぎをしてきた慎太郎くん。






「緊張してる？めっちゃギュッてしてたけど。」



『え、え、っえ、』



「あぁ〜…、ほんと可愛い。しばらく繋いだままで良い？」





テンパって頷くことしか出来ない私の手を
もう一度軽くギュッと握って車を発進させた。



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