ことばのチカラ ２【完】

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「じゃぁ、あれか。あの子のお陰で学校楽しくなったとかバレンタインにチョコあげたとか書いてた子だ。…、あと高校の後夜祭で一緒に花火見たり。」


『…本当に覚えてるんだ……。』






私でも忘れていた内容をしっかり覚えている慎太郎くん。





「え、疑ってた？(笑)」



『慎太郎くん、雑誌とかで物忘れ激しいとか言ってたから半信半疑でした(笑)』



「あはは！確かに。他のことはよく忘れるけどAちゃんのことは忘れたことないなぁ。」



『………嬉しい…。』






へへっ、って照れたように笑った慎太郎くん。





「今までさ、繋がろうと思ったら繋がれる距離に居たのに遭遇すらしたことなかったじゃん？」



『そうですね、街中歩いてるとき慎太郎くん居ないかなとかよく思ってました。』



「でもこのたった半月で2回も会ってる。偶然って言うには出来すぎてんなって、」



『……はい。』



「Aちゃんが大学生になるまで待ちなさい、って神様がそう言ってたのかなって思った。ずっと会いたいと思ってたから、……Aちゃんに。」


『"ファンレターのAちゃん"、にですか？』



「はは！うん、そう。それがまさか皆んなが言う、"慎太郎の子"と同一人物とは誰も思ってなかったけど。」



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