ことばのチカラ ２【完】

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ちょっとだけ不機嫌そうな慎太郎くんと二人きりになり少し気まずい。






『えっと…、他の方は、？』



「ラウール送ったり二次会行ったりしてんじゃない？」



『……慎太郎くんは？二次会…、』



「俺、待ってない方が良かった？」



『え、ちがっ、そうじゃないです！会えて嬉しい……けど、良いのかなって、』



「俺が良くて待ってんだから。……送るよ。」





何かを喋るわけでもなく、前と同じ道のりをゆっくり歩いてく。





『ごめんなさい、歩くの遅いですよね、』


「え？いや、むしろ俺がわざとゆっくり歩いてたから(笑) 1人で帰らせるには心配だけど、バイト先から家まで近すぎだろ。」





そう笑いながら言う慎太郎くんは少しだけ機嫌が良くなってきたみたいだ。





「ねぇ、聞いてもいい？さっきの男の子のこと。」



『佐々木くんですか？小学校から高校まで同じ学校だったんです。ファンレターにも時々書いてた男の子なんですけど…、覚えて、ないですよね(笑)』



「…覚えてるよ。Aちゃんから貰ったファンレターは全部覚えてる。」



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