神の御加護の元【完】 (ページ27)

今日:23 hit、昨日:14 hit、合計:211,836 hit

1-6 ページ27

.

『お邪魔いたします。これ良かったら…、』

なんてありきたりなことを言いながら大我のお母さんに手土産を渡す。

「Aちゃんよね？いらっしゃい、待ってたのよ。あら？そんな気を使わなくても良かったのに、」

大我に似ていてとても可愛らしい顔つきのお母様で、産まれながらのお嬢様って感じだ。

リビングに通されると社長がソファに座っていて思わず背筋が伸びる。

「そんな緊張しなくても。」

と、社長に笑われたけど初対面で失態をおかしているので緊張しないわけない。

「あなたが面接で意地悪するからでしょ？」

ぷんぷんと効果音がつきそうなくらい可愛らしく怒るお母様。

「そうだよ、あの日A帰ってきてからめっちゃ落ち込んでて元気付けるの大変だったんだから。」

『余計なこと言わなくていいから…、』

「いやー、ごめんごめん。実は以前2人が一緒にいるところを見てね。君が大我の彼女って知ってたんだよ。」

『あ…、だからあんな質問を？』

「そう、未来の社長夫人になるからには少し気が強いくらいじゃないとやっていけないからね？意地悪して悪かったよ。」

なんて笑いながら言う社長は、
いたずらがバレた時の少年のようだった。

「ま、そんなことだと思ってたけどね。」

『分かってたんなら言ってよ！』

「いや、Aが全く教えてくれなかったらから言いようがないよ！」

『……それもそうか…。』

.