続・オカンと7人の息子達。2 (ページ14)

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「たぁくん、おかゆさん……」

洗い物も済ませたし、

完成したおかゆとお椀、

スプーンをお盆にのせて

リビングに戻ったら、

たぁくんはソファで寝ていた。

手を少し温めて、

たぁくんの額に手を乗せる。

まぁ、薬飲ませてへんし下がるわけないわな…

そや、冷えピタ冷蔵庫にあったはず。

取りに行こうと立とうとすると

たぁくんに服を掴まれる。

「あら、たぁくんおはよう」

忠義「……また、たぁくん一人にするん?」

"冷えピタ取りいこう思うてん!"と告げると

"冷えピタいらんからここおって!"と

自分の隣を指さすたぁくん。

そん言うても

冷えピタ貼ったほうが

多少、熱下がるんに……。

そう思いながら

ふと、時計を見るともう10時過ぎ。

もう病院開いてるし、行くか。

「たぁくん、病院行こか?」

忠義「ん。」

の前に、1杯だけでもええから

おかゆさん食べてもらおう。

したら病院の帰りに車で薬が飲ませられる。

「でも、たぁくん

その前におかゆさん食べれる?」

忠義「ん、お腹空いた」

たぁくんの凄いところは

熱がいくら高くても食欲があるところ。

おかげで熱はすぐ下がるし

風邪もすぐ治る。

お椀におかゆをよそって、

たぁくんに渡す。

「たぁくん、オカン

保険証取ってくるな～?」

忠義「ここおってって言うた」

ムッと頬を少し膨らます

若干あざといたぁくん。

でも、保険証ないとあかんし……

「……分かった、3秒で戻ってくるから!」

忠義「……ほんまに3秒?」

「ほんま、ほんま!

数えててもええよ!」

"じゃあ数えとく"と

おかゆを口に運ぶたぁくん。

だいたい、どこあるか分かるし

走れば3秒で……

まさか、こんなに子供たちが

大きくなってから

家の廊下をダッシュするとは

私の未来予想図にはなかった。

ま、現実はこんなもんやんな。

そんなことを思いながら

必要なものを取り、

たぁくんの待つリビングに戻る。

忠義「……0.5秒遅刻」

「ごめんなさい」

ぷくーと頬を膨らますたぁくん。

やっちゃった、

5秒って言っとけばよかった。

かたっと音がして、

たぁくんを見ると

スプーンをお盆に置く姿が見えた。

「ん?

もういらんのー?」

忠義「先に病院行く。」

じゃあ、行こかと

身支度をして家を出る。

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