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きっかけは、本当に些細なことだったと思う。
中学に上がってから暫くして、三ツ谷は仲間達と東京卍會を設立した。その噂は学校中に広まって、三ツ谷や他創立メンバーは暫く針のむしろだった。
どこに行っても、何をしても、どこか遠巻きに見られる。その時の三ツ谷に話しかけるのは、同じく東卍に所属するメンバーか家族くらいなものだった。
その日三ツ谷は今日のように日直当番だった。
昼休み、先の授業で回収を頼まれたノートを持って職員室へと向かう。一冊一冊は薄っぺらい紙の束でも、クラスメイト全員分、それも三十人もいるクラスなので、そこそこの量がある。
三ツ谷は少し、気もそぞろに歩いていた。だからか、目の前から曲がってくる生徒を避けることが出来なかったのだ。
とん、と軽くぶつかって、注意散漫だった三ツ谷は、驚いてノートから手を離してしまった。
バサバサと派手な音を立て、三十人分のノートが廊下に散らばる。三ツ谷は困り果てて眉を下げると、一先ずぶつかってしまった謝ろうと顔を合わせた。
「わ、すみま……ヒィ、東卍の三ツ谷！」
その瞬間、男子生徒は大袈裟に肩を揺らして三ツ谷の横を走り去って行ってしまう。怯えているようだった。
ポツリと一人取り残された三ツ谷は、周りの生徒が三ツ谷を遠目に見ながらそそくさと通り過ぎていくのを横目に、寂しいような、悲しいような、言いようも無い気持ちに苛まれていた。
三ツ谷は確かに、不良だ。東卍の幹部だ。けれど、誰にでも暴力を振るう訳じゃない。
わかってほしい。なんて言うのは欲張りなのかもしれないが、それでも三ツ谷だってまだ十三歳の男の子。こうもあからさまに怖がられて避けられて、落ち込まない訳では無い。
三ツ谷は心做しかしょんぼりと肩を落としながら、ノートを拾うためにその場にしゃがみこむ。一つ、二つと回収して、視界に散らばるノートに、三ツ谷ではない、白くて華奢な指がかかるのが見えた。
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綾鷹(プロフ) - どハマり中の作品！更新頑張ってください！！応援してます！！！ (2021年8月17日 12時) (
レス) id: 1e5c1477e1 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - 初コメ失礼致します。すごく素敵な作品に出会えて大感激です…！三ツ谷のかっこよさと可愛さが全面に押し出されててめっちゃ好きです、、、これからも更新応援してます！ (2021年8月17日 8時) (レス) id: bb984743a2 (このIDを非表示/違反報告)
まつあい(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…泣 (2021年8月17日 5時) (レス) id: 616babd1d8 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - この作品に会えた事を感謝します… (2021年8月17日 4時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの？私バカなの？((((喧しいわ (2021年8月17日 1時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：金蔓ゆるり | 作成日時：2021年8月16日 5時
