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「あのな、俺だって男だし、そりゃそういう事に興味無いわけじゃ無いよ。……でもさ、それだけの為に付き合うとか、俺はそんなの……有り得ねぇと、思う」
「…………うん」
静かな相槌。三ツ谷の短い髪の毛を、優しい掌が撫でた。
「体だけじゃないし、顔だけじゃない。かと言って性格だけじゃない。……Aの全部が、好きなんだよ」
小動物みたいに愛らしい顔も、中学生とは思えない魅力的な体も、優しい性格も、全てひっくるめて、羽鳥Aと言う人間が好きなんだよ、と。
少しでも伝わって欲しくて、腰にまわした腕に力を込めた。強く、強く抱き締める。叶う事ならもう二度と、離れないように。
しばらく二人はそうして抱き合ったままでいた。羽鳥は何も話さない。それでも良いと、三ツ谷は羽鳥の首筋に顔を埋めて鼓動を感じたまま、ゆっくりと瞼を下ろす。
その瞬間、ぐず、と鼻をすする様な音が聞こえて、三ツ谷は慌てて顔を上げた。
「A……！？」
羽鳥は、泣いていた。大きな瞳を涙でうるませて、声堪えるように口元を手で押えている。こちらが泣きたくなるくらい下手くそな泣き方だった。
ひ、ひと何度か引きつけを起こすので、背中をゆっくり摩った。片方の手で零れる涙を拭いながら、努めて優しく声をかける。
「悲しくなっちゃった？」
「……、ち、がくて、……ひ、」
「……うん、ゆっくりでいいよ」
大粒の涙が、絶えず羽鳥のワンピースにシミを落とす。それも気にならないくらいに、羽鳥は必死に、言葉を紡いだ。
「うれ、しくて、……わたし、そんなこと言われたの、は、はじめて、で、……」
「……うん」
「それで、…………」
「うん、うん、そっかぁ」
言葉に詰まった羽鳥の背中を擦りながら、優しく頭を撫でた。羽鳥はいつものように、三ツ谷の手に擦り寄ってくる。
「俺の気持ち、やっと伝わった？」
その言葉に羽鳥がゆっくりと頷いたので、三ツ谷は漸く、満面の笑みで「そっか」と、詰めていた息を吐き出した。
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綾鷹(プロフ) - どハマり中の作品！更新頑張ってください！！応援してます！！！ (2021年8月17日 12時) (
レス) id: 1e5c1477e1 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - 初コメ失礼致します。すごく素敵な作品に出会えて大感激です…！三ツ谷のかっこよさと可愛さが全面に押し出されててめっちゃ好きです、、、これからも更新応援してます！ (2021年8月17日 8時) (レス) id: bb984743a2 (このIDを非表示/違反報告)
まつあい(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…泣 (2021年8月17日 5時) (レス) id: 616babd1d8 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - この作品に会えた事を感謝します… (2021年8月17日 4時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの？私バカなの？((((喧しいわ (2021年8月17日 1時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：金蔓ゆるり | 作成日時：2021年8月16日 5時
