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羽鳥は三ツ谷の下腹部の上に座り込んだまま、三ツ谷の着ているトップスを思いきり捲りあげた。鍛えられた腹筋が空気に晒されて、一瞬力が篭もる。
「A!? 待て、何してんだ!」
「隆くん普通にデートしてくれるから、久々に楽しんじゃった。お礼にサービスするからね」
「まて、ちょっと、……待てって、A!」
話しながらも、羽鳥は三ツ谷の服をはだけさせていく。慌てた三ツ谷は、羽鳥の細い両腕を掴んで止めた。ぱちり。羽鳥が驚いたように瞬いた。
三ツ谷は頭を抱えたい気持ちになって、しかし現実から目を逸らす訳にはいかないと、真っ直ぐ羽鳥の目を見つめ返す。
「落ち着けって。こういうのには順序ってもんがあるだろ」
「……? ああ、シャワー浴びたかった? 貸すよ?」
「違う! 俺たち、付き合ってまだ一週間もたってないんだぞ……?」
三ツ谷の言葉に、羽鳥はさらに不可解と言った様子で首を傾げた。何かがおかしいと、ようやく気付いた。
「そもそもだ。キスもまだしてない男女がいきなり行為を行うって言うのはその……飛ばしすぎなんじゃないか?」
「…………隆くん、」
「何だよ」
2人の視線が交わる。しかし明らかに、瞳に篭もる熱が違った。三ツ谷が見上げる羽鳥は、冷めきった、ただ義務をこなすかのような無機質な瞳をしていた。それが少しだけ揺らいで、羽鳥が口を開く。
「隆くんも、わたしの体目当てなんじゃなかったの?」
「───……なん、っでそうなる!!!!」
今年最大級に、腹から声が出た。羽鳥が耳を塞ぐのを見て、三ツ谷は一先ず羽鳥を抱き上げて体を起こすのだった。
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綾鷹(プロフ) - どハマり中の作品!更新頑張ってください!!応援してます!!! (2021年8月17日 12時) (レス) id: 1e5c1477e1 (このIDを非表示/違反報告)
おかかのおにぎり(プロフ) - 初コメ失礼致します。すごく素敵な作品に出会えて大感激です…!三ツ谷のかっこよさと可愛さが全面に押し出されててめっちゃ好きです、、、これからも更新応援してます! (2021年8月17日 8時) (レス) id: bb984743a2 (このIDを非表示/違反報告)
まつあい(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…泣 (2021年8月17日 5時) (レス) id: 616babd1d8 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - この作品に会えた事を感謝します… (2021年8月17日 4時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年8月17日 1時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:金蔓ゆるり | 作成日時:2021年8月16日 5時