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午後の授業も終わり、Aは帰る準備をしていた。
「凪ーサッカーすんぞ!!」
教室のドアからひょっこりと顔を出す玲王にクラスの女子がザワザワしだし、Aの方へ1度視線が集まるが凪の方へ歩いて行く玲王を見てなんだ凪に 用事かという感じで視線が逸れて行く。
「えーめんどくさい。」
「明日、俺たちの初練習試合なんだぞ。」
「うへぇ〜」
嫌そうな顔をしながらも、玲王に腕を引かれて仕方なさそうにとぼとぼとついて行く。
『...さてと。』
私は先に帰るかなんて思いながらも立ち上がると凪と目が合った。
「A帰んの?」
『んっ?うん...なんで?』
「...そっか。」
どことなくしゅんっとした顔をしている相手を見て首を傾げた。
『今日は金曜日だから凪んちにご飯作りに行く日でしょ?作って待ってるからサッカーの練習頑張っておいでよ。』
そう、毎週金曜日は凪の家にご飯を作りに行くのが日課になっている。土日は基本的に会わないから作り置きの意味でもご飯を作っている。ほっとくとろくにご飯食べないし、かと言って毎日作りに行くのはウザがれそうで金曜日だけと決めてる。
「んーわかった。」
行く気になったのか歩いて行く相手を見て少しだけホッとした。
やっぱり、自分でやると言ったもののやる気の無さはいつも通りかなんて思いながら自分の鞄を持って廊下へ出た。
「...如月。」
『わっ...ビックリした何?』
待ってたのかと思いながらAは首を傾げた。
「俺も食べたい。」
『...どゆこと?』
何言ってるんだこの人なんて思いながら頭にはてなマークを浮かべながら首を傾げた。
「だから、お前の作った飯俺も食いたい。」
『...はぁ飯ね...飯!?』
なんて言ったなんて思えば耳を疑う言葉が聞こえて相手を2度見した。
「そっ...金は払うからさ。俺も凪んち行くわ。」
じゃあそんだけなんて言えば小走りでグランドの方へと消えて行く玲王の背中を見て顔が引き攣ると共に廊下に居た女子達の視線が痛くなるのが分かった。
Aは考える間もなく走ってその場から逃げるように凪の家へと向かった。
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蝶華(プロフ) - ひちゃさん» コメントありがとうございます。そう言って頂いてとても嬉しいですっ*.(๓´͈ ˘ `͈๓).*ちょっとずつ更新して行くので見届けてくれると嬉しいです。 (2023年1月4日 7時) (レス) id: a17d0f1e26 (このIDを非表示/違反報告)
ひちゃ(プロフ) - 初コメ失礼します。凪との関係性も玲王との距離感も全部最高の神作品でした、、、!無理せず更新頑張ってください! (2023年1月3日 23時) (レス) @page12 id: abb55eea3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝶華 | 作成日時:2022年12月31日 7時