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『もう、凪ったら…』
お昼休み、図書室に来たのはもちろん集中できなかった映画の原作の本を探す為だ。
凪は1年の時有紗と同じ選択授業を取っていたらしく、1年の時も感想文を書いたので1年の時に出した感想文をそのまま出すと言ってどこかへ消えていった。
『私も1年の時凪と同じ選択授業にすればよかった。』
でも、あんまり一緒過ぎてもウザがられるかもとビビって敢えて違う授業選んだんだっけ…。1年の頃の私今よりもめちゃくちゃ凪に対してナイーブだったもんなぁなんて思いながらも目当ての本を探した。
『あった!!』
目当ての本を見つけると1番上の棚にあった。
あれとるのしんどいなぁなんて思いながらも手を伸ばした。
『んー届かない。こーいう時凪が居たら楽勝なんだけど…』
何処かに台無かったっけなんて思いキョロキョロ見渡すと近くにあった台を見つけた。
『これで勝ち確だ。』
なんていいながら手を伸ばすと台に乗っても絶妙に届かなかったので危ないのは承知だが台の上で背伸びをした。
『もうちょっと…』
「…パンツ見えんぞ。」
『えっ…きゃっ』
誰かの声にびっくりすると台がぐら付きバランスを崩してしまった。目をぎゅっと瞑るも床にいつまで経っても落ちなかったので恐る恐る目を開けた。
『みっ御影くんッ』
目を開けるとそこには玲王が目の前にいた。
忘れてたのにと思えばAは少しムスッとした顔をした。
「良く会うな。…おぃ、なんで睨むんだよありがとうだろ?」
『恩着せがましい…』
コイツのこと忘れてたのになんて思いながら、玲王は苦笑を浮かべるもAの腕を引っ張って立たせてくれた。
「ほらっこれだろ欲しいの」
そう言うとすっと目的の本を取ってくれた。
『…ありがとう。』
そう呟くと本を受け取った。
何だかんだ、良い奴じゃんなんて思いながらもAは玲王の方を見た。
「以外に可愛いの着てんのな」
『…は?』
もしかして、この人。
嫌な予感とは的中することが多い。
今、Aの脳裏に浮かんだのは今日の下着なんだっけ?だった。
「クマさん柄」
図書室に平手打ちの音が鳴り響いたのは言うまでも無い。
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蝶華(プロフ) - ひちゃさん» コメントありがとうございます。そう言って頂いてとても嬉しいですっ*.(๓´͈ ˘ `͈๓).*ちょっとずつ更新して行くので見届けてくれると嬉しいです。 (2023年1月4日 7時) (レス) id: a17d0f1e26 (このIDを非表示/違反報告)
ひちゃ(プロフ) - 初コメ失礼します。凪との関係性も玲王との距離感も全部最高の神作品でした、、、!無理せず更新頑張ってください! (2023年1月3日 23時) (レス) @page12 id: abb55eea3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蝶華 | 作成日時:2022年12月31日 7時