君の側で (ページ6)

今日:21 hit、昨日:10 hit、合計:114,483 hit

6 ページ6

晴れた日。木陰で2人が話している。

「お前、珍しい目をしてるな。」

『ううん。この目のせいで僕は気づいたら誰かに連れられてたの…。』

黒豹で黒目の種類は珍しい。

(多分家族は貧しかったのか。)

『僕は…ｳｳｯ…。』

「泣くな。…そうだ、本当は禁止されている魔法があるんだ。そうすればきっとお前は俺と同じようになれる。」

『本当？』

「あぁ…待ってろ。今その本を持ってくるから。」

同時刻、王は椅子に座り今後の予定などの会議をしていた。そこに叫び声が響く。

「なんだ！？どこから聞こえた！？」

バタバタと兵士が捜索し始める。暫く捜索をすれば広い庭にレオナともがき苦しむ少年の姿。

「！レオナさま！」

「！…助けてくれ！」

『ｳｳｯ…目が…』

すぐに救急室に運び込まれ、応急処置のお陰で視力は落ちずに済んだ。

「レオナ。お前がしたことは分かっているな？」

「…フンｯ。」

「はぁ～…レオナ。お前は大切な人を傷つけたんだぞ？もしかしたら彼は2度と世界を、お前を見れなくなるんだぞ？それを知った彼はどう思う？よく反省することだ。」

部屋が赤く染まる。レオナはAに向かい話す。

「その……悪かった…。」

『ううん。大丈夫だよ。だから

泣かないでよ。レオナ。』

「ｸﾞｽｯ…泣いて…なんか…。」

『僕はレオナの事が好きだよ？だから怒ってないしむしろレオナが僕のことをそこまでしてくれるって思ってくれるだけで嬉しかったよ。』

「ごめん…ごめん…。」

やがて部屋は黒に呑まれる。

包帯を外す日がやってきた。

「…はい。もう大丈夫ですよ。」

「ありがとう。…ではレオナ今度またこんな事が無いように…レオナ？」

「…せっ、成功したぞ…。」

「？…何を言って…あ！？ひ、瞳が…」

そこにいたのはもう黒目をしたAはいない。レオナと同じ翡翠色の瞳をしたAがいた。

『みんなどうしたの？』

鏡を渡されたようやく気づいた。

『これ…僕の瞳？レオナとおんなじ！』

これがAの瞳が翡翠色の理由。