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「俺は能力を担保に取引をしたことがないからどういう理屈かはよく知らねぇが。」

「え?それなら、レオナ先輩は何を担保に取引を?」

「グルル…何だっていいだろうが。思い出させるんじゃねぇ。…で、だ。その特別な契約書がある限りアイツとの契約は継続する。だからアズールは、言葉巧みに契約を持ちかけ…」

「達成不可能な条件でサインをさせる…ってわけッス。」

「アズールに勝つ一番の方法は、"契約をしない"ってことだな…ハッ。」

『ふふっ、アヒージョも捨てがたい。』

「Aさん!いつまでアズールクンを食べること考えてるんスか。お腹壊しますよ、あんなの食べても!」

「ふなぁ〜…どうしたらいいんだぁ…」

「どうぞお知恵をお貸しください!」

「バーカ。最初から他人を頼ってんじゃねぇ。もっと頭を捻って考えろ。自分より強いやつに勝つために(ココ)があるんだろ。だが、そうだなァ。もし俺がお前らの立場だったら…


まず、何とかして契約書を破る方法を考えるぜ。」

おや、これは明日は雪や槍が降るな。あのレオナがこんなにまで助言をしてやるだなんて。連続傷害事件の事まだ引きずってるのだろう。

「おいA、お前今失礼な事考えただろ。」

『さて、なんのことやら。』

「でも、あの契約書は無敵なんだゾ!?」

「ハァ…お前ら、本当に脳みそが小せえな。」

「詐欺にあっさり引っかかるタイプッスねぇ。そもそも、なーんで君たちはアズールクンの「絶対に破れない」って言葉を素直に信じ込んでいるんスか?」

「えっ?でも、攻撃はマジで効いてなかったし…」

「その場限りのパフォーマンス…」

『ハッタリの可能性だってある。…あ、大事なの忘れてた!たこ焼き!』

「ンン"ッ。どんな魔法にだって弱点はある。魔法を封じるリドル(赤い坊ちゃん)のユニーク魔法だって一見無敵だが、穴はあっただろ。どれほど優秀な魔法士でも、魔法は無限に使えない。だからアズールの"黄金の契約書"がずっと無敵であり続けることなんてそれこそ

"絶対に"あり得ないんだよ。」

「海の中でリーチ兄弟に挑むより、地上で契約書の"弱点"を暴く方がまだ勝算が高い…ってことか。でも、なんかそれって

反則くせぇ。」

「あのねぇ、ジャックくん。Aさんならまだしも、君ら陸上でも歯が立ってないじゃないスか。」

「うぐっ、それは…」

おやおや、珍しくラギーが厳しいこと言うようになったなぁ、なんて感心してしまった。

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作者名:矢印 | 作成日時:2020年5月29日 2時

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