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ボロボロになって寮に帰ってきたジャックを捕まえる。

『はぁ〜いジャッククン?ちょっと先輩とお話ししよぉ〜かぁ?』

「せ、先輩なんすか?いきなり。」

ジャックの首根っこを掴み談話室の椅子に座らせ、今日の朝の件について話す。

『人が話そうとしてるとき、というか話してる時に席を立つのはどうかと思うよ?』

「は、はぁ…」

『そもそも助言をしてるのになんで自分から首を絞めに行くかな。』






「まーた始まった。Aさんの説教タイム。あれに捕まると1時間ぐらいかかるんスよね。」

「アイツのは的確に正論をぶつけてくるから反論のしようがねぇのが腹立つんだよな。」

「レオナさんこの前ニヤニヤしながら聞いてたから更に延ばされたのもう忘れたんスか。」

「うるせぇよ。」

「お前ら反省するつもりがないんだゾ…。」

ジャックが説教をされている間に、珊瑚の海に行ったこと、そこでリーチ兄弟に出会い太刀打ちができなくて退却してきたことをレオナとラギーは伝えられる。

「え?君らマジで珊瑚の海に行ったんスか?」

「は、バカすぎんだろ。」

「ふな"っ!?オメーがさっさと行動を起こせって言ったんだゾ!」

「フン、誰も馬鹿正直に海に行け、なんていってねぇよ。時間は有限。頭を使って価値のある使い方をしろって言ってやったんだ。
水中で人魚と真っ向勝負するなんざ、どう足掻いても勝ち目がねぇ。わざわざ食われに行くようなもんだ。」

ジャックが説教から帰ってきて質問をする。やけに尻尾が艶々している。大方Aにブラッシングされたのだろう。当の本人は毛を片付け。

「…あの、もしかしてレオナ先輩たちはあの双子の兄弟が人魚だって知ってたんスか?」

「まぁな。」

「俺は去年の夏、水泳の合同授業でフロイドくんが元の姿に戻っているところ見たことがあるけど、あれに追いかけられたら一巻の終りみたいなところあるッスね。」

『それを教えようとしたのに、なぁ?』

一年生の肩が跳ね上がる。いつもと違う声色に驚いたようだ。

『人の話は最後まで聞かず…情報収集なしで突っ込んだおバカさんはどぉこかなぁ?』

「ひっ!脅かすんじゃねぇんだゾ。」

「第一Aくんはあの兄弟と水中で何回かバトルした事あるから情報はAくんから聞けば良かったのに。」

『まぁ君たちの様なひょろひょろじゃ陸でも即死だろうな。』

「…ブーメラン」

『レオナァアアァアア!』


「話終わってないッスよ、2人とも。」

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作者名:矢印 | 作成日時:2020年5月29日 2時

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