君の側で (ページ24)

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僕は親に売られた。

幸せが続くと思ってた。

元々家は貧しくお金が無かった。それでもお父さんとお母さんは優しかった。

でも

「あなた。今月はもう食べて行けそうには無いわ。」

「どうにかしてお金を作らないと。」

『お母さん、お父さん？どうしたの？』

「…」

最初は楽しいところに連れて行ってくれるって言ってくれた。でも向かう場所は所謂スラムだった。

『ねぇここに楽しいところがあるの？』

「あぁ。」「勿論よ。」

現実は違った。

「おぉ、これは珍しい。…2000万マドルでどうだ？」

「取引成立だ。」

俺は売られたのだ。親の身勝手で。許さない。

「お前は今日から売られるんだよ。はははっ！」

絶望の始まりだった。飯はろくに食えないまま何日もたつ。売られた者同士でも友達が出来る。だが友達と思っていたのは自分だけだった。

「なんだよ！何回も話しかけるな！お前俺が好きなのか！？気持ち悪りぃ！」

その言葉で俺は男が男を好きになるのは行けないことだと思い込んだ。そして、自分は男が好きなんだと自覚した。

ねぇ、普通(・・)の恋ってなに？

だがそんな時あの声が聞こえたんだ。

「おい。」

「こいつ買った。」

「今日からお前は俺のお気に入りだ。」

レオナだった。

俺は一目惚れした。でも男を好きになってはいけない、そんな言葉が枷となる。

「レオナ様が汚い子供を連れてくるなんて…世話をする私たちの身になってほしいわ…。」

「だが王は喜んでおられたんだ。手を抜いてしまっては俺たちが危うくなるんだぞ。」

王城に来てレオナは嫌われてるんだと知った。知ってしまった。

「よしA、今日から俺のことはレオナと呼べ。」

『でも王族なのに呼び捨てしたら…。』

「俺が許してるんだからいいんだよ。ほら呼んでみろよ。」

『…レ、レオナ…。』

「おう！」

その笑顔は俺には眩しかった。あんな憎い人間からレオナを守るんだと誓った。

でも守れたか？ーーいや、守れなかった。

レオナは日に日に笑顔を見せなくなった。そして行動が冷たく素っ気なくなった。

愛想を尽かされたのだと感じた。

『ねぇ、誰でもいいから

俺に愛を教えてよ。

普通を教えてよ。

どうしたらいい子になれたの？』

「A！！！！」