21 渇愛の黒豹 ページ21
連続傷害事件の後、落ち着きが戻りつつあった。
「また、お前にこんな思いをさせてしまった。俺はAに相応しくないのか?」
『そんなことないってば、どうしてレオナさ俺のことになるとそうもネガティブになるのさ。』
(Aさん鈍感ッスねぇ。)
3人で歩けば声が聞こえる。
「あ、この前の主犯だ。」「副寮長も役立たずだな。」「あはは、確かに言えてる。」
(俺はまだしもAまで悪者扱い。何も知らないくせに偉そうにしやがって。)
『どうしたの?なんか悩みでもあるの?』
「いや、なんもねぇよ。」
「ほら次は飛行術の時間ッスよ。急いで着替えるッスよ。」
陰口は授業でも止むことはない。
「うるせぇ奴らだな。」
つい口を滑らせる。
『…やっぱり…レオナも聞こえてたんだね。』
「?何を言って」
『レオナを悪く言う奴はいつまで経っても消えることは無い。どれだけ斬っても、斬っても…。』
「おい!」
ぼたぼた…
『あはは!だったらもっと悪い考えを斬らなきゃ…ねぇ?』
「Aさん!どうしたんッスか!?」
『だって昔からレオナのことを従者さえも悪く言ってたんだよ?』
ブロロッ
急にチェーンソーを取り出す。
『悪い考えが無くならないなら斬るだけ。もう我慢ならないんだよ!なにもかも!!!』
「今すぐやめないか!
"
だが魔力の差ですぐに跳ね返されてしまう。
「この感じ…まさか!デュース、急いでリドルを連れてこい!エースは学園長に連絡を!」
「了解。」「わかりました!」
『ねぇ…僕は一体どんな風に生きれば君を救えるの?』
「…A…」
『まずはそこの馬鹿からだ!』
チェーンソーを手に他寮生に飛びかかる。
「やめろ!」
レオナが飛び出し防衛魔法で防ぐ。
「俺はもうどうとも思ってない!」
『嘘だ!俺が俺が君を救えるんだ!なのに何故邪魔するんだ!』
「それは…救いじゃねぇ。ただの自己満だ。」
『…!!うるさい…うるさいうるさいうるさい!!なんでだよ!!俺はレオナを…うぅっ!』
「ユウ、俺の後ろに隠れろ。」
ジャックがユウとグリムの前に立つ。
『なんで人のことをよく見ないくせに勝手に評価しちゃって。レオナがどれだけ頑張ってきたか、どれだけ努力したか、どれだけ悩んできたかさえ知らない奴らが俺は許せないんだよ!』
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作者名:矢印 | 作成日時:2020年5月29日 2時