検索窓
今日:3 hit、昨日:10 hit、合計:114,465 hit

21 渇愛の黒豹 ページ21

連続傷害事件の後、落ち着きが戻りつつあった。

「また、お前にこんな思いをさせてしまった。俺はAに相応しくないのか?」

『そんなことないってば、どうしてレオナさ俺のことになるとそうもネガティブになるのさ。』

(Aさん鈍感ッスねぇ。)


3人で歩けば声が聞こえる。

「あ、この前の主犯だ。」「副寮長も役立たずだな。」「あはは、確かに言えてる。」

(俺はまだしもAまで悪者扱い。何も知らないくせに偉そうにしやがって。)

『どうしたの?なんか悩みでもあるの?』

「いや、なんもねぇよ。」

「ほら次は飛行術の時間ッスよ。急いで着替えるッスよ。」



陰口は授業でも止むことはない。

「うるせぇ奴らだな。」

つい口を滑らせる。

『…やっぱり…レオナも聞こえてたんだね。』

「?何を言って」

『レオナを悪く言う奴はいつまで経っても消えることは無い。どれだけ斬っても、斬っても…。』

「おい!」


ぼたぼた…


『あはは!だったらもっと悪い考えを斬らなきゃ…ねぇ?』

「Aさん!どうしたんッスか!?」

『だって昔からレオナのことを従者さえも悪く言ってたんだよ?』

ブロロッ

急にチェーンソーを取り出す。

『悪い考えが無くならないなら斬るだけ。もう我慢ならないんだよ!なにもかも!!!』

「今すぐやめないか!
"薔薇を塗ろう(ドゥードゥル・スート)!」

だが魔力の差ですぐに跳ね返されてしまう。

「この感じ…まさか!デュース、急いでリドルを連れてこい!エースは学園長に連絡を!」

「了解。」「わかりました!」

『ねぇ…僕は一体どんな風に生きれば君を救えるの?』

「…A…」

『まずはそこの馬鹿からだ!』

チェーンソーを手に他寮生に飛びかかる。

「やめろ!」

レオナが飛び出し防衛魔法で防ぐ。

「俺はもうどうとも思ってない!」

『嘘だ!俺が俺が君を救えるんだ!なのに何故邪魔するんだ!』

「それは…救いじゃねぇ。ただの自己満だ。」

『…!!うるさい…うるさいうるさいうるさい!!なんでだよ!!俺はレオナを…うぅっ!』

「ユウ、俺の後ろに隠れろ。」

ジャックがユウとグリムの前に立つ。

『なんで人のことをよく見ないくせに勝手に評価しちゃって。レオナがどれだけ頑張ってきたか、どれだけ努力したか、どれだけ悩んできたかさえ知らない奴らが俺は許せないんだよ!』

22→←20 終曲



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
156人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:矢印 | 作成日時:2020年5月29日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。