君の側で (ページ16)

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「可哀想だよなぁ…サバナクロー1番と言われたかわい子ちゃんがこんなに惨めに苦しんでるなんて。」

『もぅ…だ……め…。』

「ーーもうやめねぇか！！

"月夜を破る遠吠え(アンリアッシュ・ビースト)！"」

ジャックの姿が大きな白狼に変わる。

「ガウガウッ！！ガウッ！！！」

レオナに体当たりし、隙が生じる。

「なんだと！？ぐぁっ！」

「今だ！"首をはねろ!(オフ・ウィズ・ユアヘッド)"！」

「ぐあぁっっ！」

『うっ！がはっ！ゲホッ…！』

「さすがリドルくん！魔法が止まった！」

「早くA先輩を！」

『だい…じょうぶ…レオナを止めさせて！』

「セベク、俺たちは他の怪我人を外へ運びだすぞ。」

「偉そうに僕に指図するな、シルバー！」

「クソが………っ！ライオンであるこの俺に、首輪だと………！？それにジャック！テメェ変身薬なんてご禁制の魔法薬どこで手に入れた！」

「俺のユニーク魔法だ！」

「…はは！それはユニークだ、本当にな！」

「俺の…俺の憧れてた先輩はどこにいっちまったんだ！？」

「勝手に俺に夢見てんじゃねぇ…うぜぇな…。」

「僕も人のことを言えた義理ではないけどね。今の君は見るに堪えない。」

「兄貴みてぇに説教たれやがって…。」

「フン、お主のような男には、王冠よりその首輪が似合いじゃ。サバンナの王が聞いて呆れるわ。」

『なにを』

「…あぁｯ！？」

「お主は持って生まれた才や順序のせいで王になれないと嘆いておるようだが…報われぬからと怠惰に生き、思惑が外れれば臣下に当たり散らすその狭量さ。」

『お前に…なにが』

「その程度の器で王になろうなどと…我らが王、マレウスと張り合おうなどと、笑わせる。たとえマレウスを倒したとて、その腐った心根を捨てぬ限り…

お主は王になれんだろうよ！」

『何が分かるんだ！…俺は、レオナと共に生きてきた。あいつがどんな気持ちだったか、あいつが皆の前で涙を流さなかった理由をお前が分かるわけない！』

…ぽたっ…ぽたぽたっ…

「A先輩！？」「なんだ！？」

「ほうではお前はレオナの味方をすると？」

『今は手を貸してやる。レオナが苦しんでる姿なんて見たくはない！だがな！覚えとけ、俺はお前を許しはしない！』

「は、はは…アァ、そうだな。そうだろうとも。お前の言う通りだ、リリア……はははは！俺は絶対に王にはなれない……どれだけ努力しようがなァ………！」

負のエネルギーが増幅する。