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Episode 4 【ココアサイダー】 ページ6

子供達と別れ、家に帰ってまた執筆。
数時間書き続けて流石に目が疲れたから休もうと思い、そうしたらバルコニーには鴉が停まっていた。

カァと鳴きながらその鴉は俺の元へ近寄ってくる。


「スピカル、来てたのか?」

「…全く、シャルルの旦那は鈍ちんだな。何回も窓をノックしたのに気づきやしねぇ」


そう言ってスピカルは呆れたように溜息を吐いた。

何故か言葉が喋れる摩訶不思議で利口な鴉、スピカルは昔からの俺の相棒だ。
けれど俺以外の前では普通の鴉になりすますから、誰も喋るとは信じちゃくれない。泣きそう。


「けどいきなりどうしたんだ?まだ盗むお宝も決まってないのに」

「どうしたもこうしたもないぞ旦那。さてはさっきのニュース、見てなかっただろ」

「うん。原稿書いてた。」

「やっぱりな…来週の金曜日、隣町の美術館で丹波財閥主催の宝石展が行われるそうだ。」

「ほへー国内有数の財閥じゃん。で、一体どんなお宝がご登場するの?」


バルコニーに置いてある椅子に座り、スピカルを見る。
三日月の下、羽根の下に隠していたらしきメモ帳を取り出した。


「_月の光に当てると水色に光るダイヤモンド、通称『聖母マリアの涙』。
他にも数百万は下らないモノがあるが目玉はこれだろうな…そういや今書いてるっていう旦那の小説の中にも出てきてなかったか?」


聖母マリアの涙

それは俺が今書いている作品に出てくる宝石のモデルだった。

確かそれは東欧の小さな小さな教会にあると聞いていたが、まさか隣町に来てくれるとは。


__これは、行くしかないだろう。


「スピカル!次のお宝が決まったぞ!予告状を書くから丹波家や警視庁、それからマスコミの連中に届けてくれ!」

「はいよ。報酬はお前さんの新作を一番に見せてもらうってことでよろしく頼むぞ」


こうしちゃいられない。
急いで手袋をはめて、予告状の作成にかかる。

それじゃあ、彼等をあっと驚かせられるような、
最高のトリックをお届けしましょう。

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夕焼けと白猫 - とても面白いです。 更新、頑張ってください。 (2018年6月21日 21時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Laurence x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uranaikari1/  
作成日時:2018年6月17日 23時

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