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Episode 36 【ココアサイダー】 ページ38

「酷い隈だな。徹夜か?旦那」

「…何だ、スピカルか」

「何だとは失礼な。お嬢から預かり物だ。受け取れ」


そう言って先程まで咥えていた物を蹴って俺のところまで滑らせてきた。


「これ…USBメモリ?」

「あぁ、殆どはあの家の奴に消されたらしいがこいつだけ無事だったらしい。そんな物を俺たちに託した。」


意味分かるか?、と目を合わせてくる。


「理香子お嬢は大丈夫だと、逃げられない訳じゃないと言った。けどお嬢はお前に被害を被りたくないと言って出ようとしない。これどういうことか分かるか?」


いつも読めなかったスピカルの表情が、今日は何故だか分かる。


「お嬢は信じてるんだ。お前のこと。でないとあの強気でじゃじゃ馬なお嬢がここまでしねぇよ。」


…とても、怒っていた。


俺も、このまま何もしない訳にはいかない。



「ねぇスピカル、ご令嬢はマリーナの事を悪く言ってた?」

「よく分かったな、『私はマリーナみたいに、どちらとも決められない“悪女”になるつもりは無いわ』だとさ」

「ははっ、やっぱり」


マリーナは愛する男も結ばれるべき男もどちらも決められなかった。人はそれを悲劇のヒロインやら一途な淑女と例えるだろう。けれど彼女はマリーナを悪女と呼んだのだ。

……やっぱり、君には敵わないな。



「お嬢は今あの屋敷に閉じ込められている。明日だって、前よりも警備が強固になるだろう。
なぁ旦那、理香子お嬢を盗むって今でも考えてるのか?」

「勿論。俺は狙った獲物は逃がさない、神出鬼没の怪盗だからね」

「…それでこそシャルルの旦那だ。」


そう笑い合って、差し出されたUSBメモリを手に取る。



「よし、今日中にまとめるぞ」

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夕焼けと白猫 - とても面白いです。 更新、頑張ってください。 (2018年6月21日 21時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Laurence x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uranaikari1/  
作成日時:2018年6月17日 23時

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