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Episode 24 【ココアサイダー】 ページ26

彼女は不器用に微笑んだ。

その不器用さは、他人から見たら気づくか分からないぐらい小さいもの。
けれど気遣われた俺たちにはとても大きなものに見えた。

…なんていじらしくて、儚いんだろう。


「…降りないさ。君がここまで言ってくれたのに。」


立ち上がって、彼女を自分の胸に抱き寄せる。



「これで、君と俺は共犯者だ。

君が望むのなら、俺は怪盗でも騎士でも犯罪者にでもなろう。

俺も一緒に持とう。



君が背負ってきたものを。」



彼女は俺の胸に顔を埋めて、肩を震わせた。



…微かに聞こえる嗚咽には、聴こえてないふりをした。




「理香子お嬢、大丈夫か?」

「うん。泣き疲れて寝ちゃった。相当溜まってたみたい。」


目立たないように身支度を済ませ、家に送ってくから留守番よろしく、とスピカルに伝えて再び外に出た。


「ここか、彼女の部屋は。」


誰もいないことを確認し、窓を開ける。天蓋付きのベッドの上に彼女をそっと乗せた。


「泣いているレディーに何も出来ないなんて、俺もまだまだ未熟だな。」


自嘲ぎみに笑って、彼女の赤くなった目元をそっとなぞる。

その指は頰を伝い、髪の毛をいくらか掬った。



「高望みはしない。断ってくれても構わない。


ただ、俺を君の傍に置いてはくれないか。


……君にこんな感情を抱いても許してくれるか。」



そう呟いて彼女の髪に口付けを落とし、家を後にした。

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夕焼けと白猫 - とても面白いです。 更新、頑張ってください。 (2018年6月21日 21時) (レス) id: 76272ba197 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Laurence x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/uranaikari1/  
作成日時:2018年6月17日 23時

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