21話 ページ23
お風呂から上がると
きちんとたたまれている長袖のTシャツと半ズボンが置いていた
いつの間に…
服に袖を通すが、手が出ない
ズボンはちょうどいいくらいだった
脱衣所を出て、そのまま部屋に通じる扉を開け
部屋の中を覗く
芝健はPCと睨めっこしているようだったので
そっと扉を閉めようとしたけど
芝健「入ってきていいんだよ?www」
A「ばれてた…」
芝健「ドアの音聞こえたしw」
そう言って彼は私に手招きをする
それにつられて彼のそばに行く
芝健「あ、やっぱり髪乾かしてないじゃん」
A「いつもだよ?」
芝健「んー、髪触ってもいい?」
A「いいけど」
芝健は一度部屋を出ていき
ドライヤー片手にすぐに戻ってくる
コンセントを差し込み、スイッチを入れる
暖かい風が髪に当たり
芝健の大きな手が私の髪に触れる
芝健「1回でいいから誰かの髪乾かしてみたかったんだよね」
A「まりんはさせてくれないの?」
芝健「まりんには「きもい」って言われて拒否された」
A「言いそうw」
ある程度乾いたら冷たい風に
私はくすぐったく感じながら
大人しく、されるがままにされていた
芝健「でーきた!」
ドライヤーの音がやんで
手ではないなにかが一瞬、頭に触れる
それに気づいて後ろを振り返るが
芝健がどや顔をしているだけだった
芝健「俺うまくない?」
A「…なんかむかつく」
芝健「HAHAHA!俺もお風呂入ろ!」
A「いってらっしゃい」
彼は着替えを持って立ち上がり
扉を開けたが、一瞬止まってこちらを見た
芝健「…俺の髪、Aは乾かしてくれる?」
A「いいけど…嫌なんじゃ…」
彼は髪を触られることが苦手だ
だから美容院にも行かない
私にも触れていいか聞くくらいだ
しかし彼は少し考える素振りを見せて
こちらに微笑んで言う
芝健「Aならいいよ」
A「え」
彼はそう言い残し
私の返事を聞く前に部屋を出た
私ならいいって、なんだ…
仲良くなれたってことで、いいのか…?
心臓がグッとなる感覚がしたが、よくわからない
私は恋が、愛が、わからない
だから、私がこの気持ちに気付くのは
あと少し先…
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彗(プロフ) - ムユさん» ありがとうございます!私もムユさんの作品みてますよ!楽しみにしてます!がんばってください! (2018年7月9日 15時) (レス) id: d507c4ecdc (このIDを非表示/違反報告)
ムユ - 彗さんの好きです!これからも頑張って下さい! (2018年7月9日 14時) (レス) id: 0352392d10 (このIDを非表示/違反報告)
彗(プロフ) - みいさん» わかります!尊い!可愛い!こちらこそ読んでいただきありがとうございます!! (2018年7月7日 22時) (レス) id: d507c4ecdc (このIDを非表示/違反報告)
みい - タシアが尊い!可愛い!大好き!作者も!ありがと! (2018年7月7日 21時) (レス) id: 5e0a50fdda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彗 | 作成日時:2018年7月3日 12時