19話 ページ21
―――芝健Side―――
練習も終わり、各々が帰宅していく
今日はカナタはまさとのところへ行くと言っていた
だからAと2人、帰り道を歩く
他愛のない会話をしていると、あっという間に家に着く
芝健「じゃ、上着いつ返してくれてもいいから」
A「うん」
それぞれ部屋の鍵を開けて中に入ろうとした時だった
隣の影が一瞬で下に沈む
なんだ？と思い、Aのほうを見ると
口元を抑えながら震えていた
急いでドアを開けて中に荷物を投げ入れ
サンダルに履き替えてから彼女のほうへむかう
芝健「A！？大丈夫…ではないよね。まって、一旦俺の部屋に行こ。
もうちょっとだけ我慢できる？」
A「ぅ…」
とりあえず立ち上がらせようにも、自分では立てなそうだった
なにか言う前に彼女は俺に体を預けてきたので
すかさずAを支えながら立ち上がる
芝健「靴脱げる？まぁそのままでもいいけど…」
後で俺が拭けば問題ないし…
と、考えたが
彼女は靴を脱ぎ捨てていく
俺も彼女を支えながらサンダルを脱ぎ
トイレへ向かう
ついた途端、一息もしないうちに
彼女はトイレにもどしてしまった
A「っ…ぅっ……」
芝健「背中さすってるから、出し切って大丈夫だよ」
彼女の背中をさすりながら
カバンの中をあさり、水を取る
…めっちゃ飲みかけだけど
彼女にその水を渡し、また背中をさする
A「もうやだ…こんなの…最悪だ…」
そう言い、ポロポロと涙を流しながら
嗚咽を漏らすA
きっと俺の家だから…とか考えてるんだろうけど
大人しくここまで来てくれたのが
俺にとっては「頼ってもらえた」という嬉しさがあった
芝健「気にしないでいいからね、嫌ってなんかないから」
そう言って笑うと、彼女はまた泣いてしまう
だけど、俺はそっと彼女の涙を拭って立ち上がる
芝健「落ち着いたら着替え持っておいで。今日は一緒にいよ？」
ただ俺が傍にいたいだけなんだけど
Aは許してくれるかな？
不安に思って彼女を見ると
小さいが、しっかり頷いてくれたので
俺は少し安堵した
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彗(プロフ) - ムユさん» ありがとうございます！私もムユさんの作品みてますよ！楽しみにしてます！がんばってください！ (2018年7月9日 15時) (
レス) id: d507c4ecdc (このIDを非表示/違反報告)
ムユ - 彗さんの好きです！これからも頑張って下さい！ (2018年7月9日 14時) (レス) id: 0352392d10 (このIDを非表示/違反報告)
彗(プロフ) - みいさん» わかります！尊い！可愛い！こちらこそ読んでいただきありがとうございます！！ (2018年7月7日 22時) (レス) id: d507c4ecdc (このIDを非表示/違反報告)
みい - タシアが尊い！可愛い！大好き！作者も！ありがと！ (2018年7月7日 21時) (レス) id: 5e0a50fdda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：彗 | 作成日時：2018年7月3日 12時
