隣にあるスミレ【やふへゐ先生】

DAY8 ページ10

はじめが帰ってきたことで
だいちの嫌がらせ(？)も落ち着いた
たなっちが入れ替わるようにコンビニへ行っている間に
はじめに編集データを渡しておく


A「これ明日の分で」

はじめ「あー！ありがとうございます！」

A「ミスとかあったら直すから
　 チェックお願いします」

はじめ「了解です！」


はじめは編集データが入ったUSBメモリーを持って
編集部屋へ入っていく
だいちは編集部屋で今日出す動画の編集をしているようだ
なのでいまはこの部屋にようへいくんと2人

とくに話すこともない…
少し気まずいなと思いながら
持ってきていたノートPCを開いた


ようへい「Aちゃんって編集できるんですね」

A「え、あー…前の仕事柄ね…」

ようへい「俺、まだうまくできなくて…」

A「慣れたらきっと大丈夫だよ」

ようへい「コツとかある？」

A「んー、自分にあった編集が一番だけど…
　 はじめはこういう風に編集するからー…」


慣れた手つきで編集画面を開き
PC内に入っている適当な動画を区切ったり貼り付けたりする


ようへい「はや…」

A「今回は適当だからｗ
　 いつもは選んでるから時間かかっちゃうけど」

ようへい「でもこれ時間長いですね」

A「私は一度全部繋げてからもっと区切っていく方法で
　 ここをこう…」

ようへい「あー！なるほど！」

実際にやって見せると、納得したように頷く
効果音もつけ足したりしながら
すぐに3分弱の動画が完成する


ようへい「え、もうできたんですか？」

A「そうだね、大体の作業工程はこのくらい」

ようへい「これみても…」

A「いいよ、見ないとどうなってるかわからないしｗ」


そう言ってから動画の再生ボタンを押す
テキストを入れていない分、わかりにくいところもあったが
いつもの編集とさほど変わりはなかった


ようへい「参考になります」

A「はじめのほうがすごいよｗ」

ようへい「俺も頑張らないと」

A「がんばれ」


2人で穏やかな雰囲気になり
今日は帰るのか聞こうとした時だった


たなっち「こらーイチャイチャするな―」

A「びっ…」

ようへい「おかえりー」

たなっち「ようへいくん。抜け駆けは許しませんからね」

ようへい「なんの話？ｗ」


たなっちは「もー…」と言いながら
編集部屋へ向かう

私はその後ろ姿に向かって
隠し持っていたクラッカーを鳴らした
みんなが驚いたのは言うまでもない

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