隣にあるスミレ【やふへゐ先生】

DAY13 ページ15

夕方、ラーメンを食べてから
みんなで車に戻っているときだった

やっぱり迷惑かけたくないし
モヤモヤがとれないので…


A「みんな先に帰ってて」

たなっち「え、Aちゃんはどうするんですか？」

A「歩いて帰りたい気分」

だいちぃ「それなら俺も…」

はじめ「俺も！」

A「1人がいい」


2人は「え〜」と言っているが
たなっちとようへいくんは理解してくれたみたいで…


たなっち「ほら、2人とも行きますよ」

ようへい「途中でめんどくさくなったら迎えに来るから」

A「ありがと」


「じゃあ」と、4人と別れて
静岡の街を歩き出す

自分がこのまま畑に出ていてもいいのか
そういうことは近からず遠からず
問題になるとは思っていた
けど、実際こんなに攻撃されるんだなって思うと
結構つらいものがあった


A「なんか…迷惑ばっかりかけてる…」


「自分らしくない」
そんなことはわかっているが
落ち込んだりしたいときもある

ため息をつきながら歩いていると
後ろから知らないやつに声をかけられた


男「あの、Aさんですよね！？」

A「はぁ…そうですけど」

男「いつも畑みてます！握手してもらっても…」

A「いいですよ」


若干引き気味に握手をしてから
手を離そうとした
しかし、相手は手を離そうとしない


A「…あの」

男「今日ははじめしゃちょーいないんですか？」

A「まぁ…」

男「時間ありますか？お茶していきません？」

A「いまから帰るんで…」

男「そう言わずに少しだけ！ね！」

A「あの、ほんとに…」


男のほうが力が強いのだろう
どれだけ手を引いても放してくれない


男「ね？いいでしょ？」

A「いい加減に…！」


しつこすぎるので左手で無理やり引きはがそうとしたが
物陰からカメラを構えている女性を見つけた

もし、これで手をあげていたら
炎上して迷惑をかけるのでは？
大人しくついていって噂が流れるだけなら
みんなに迷惑はかけない？


男「どうしたんですか？」

A「あ…いや…」

男「行きますか？」

A「……はい…」


男はニコリと笑って
私の腕を引いて行く

私は下を向いて
悔し涙を我慢していた

情けないなぁ…
みんなどう思うかなぁ…
行きたくないな…

男は1人でなにか話している
私に話しかけているようだが
なにを言っているのかわからない
このままどこにつれていかれるのだろうか…

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