海と空、真逆 ページ7
私は2人と色んな子のライブを見た。
可愛らしかったり、元気だったり、カッコよかったり。
途中ではなの先輩のライブもあった。
もちろんいつもと変わらず、凄く綺麗な歌声だったよ。
そして、楽しかったライブイベントも終わりが近づいて来ている。
「さぁ、最後は現在大人気を博しているこのアイドル!」
後ろのモニターに1人の女の子が写し出される。
その瞬間、ローラが悲鳴みたいな声を上げた。
「あの子、あの子!アタシのいとこだよ!あの子マジ天才でさ、マネージャーもいないのに1人でトップランクの『こくみんてきアイドル』ってところまで登りつめてんの」
「す、凄いっ!」
目をキラキラと輝かせるらぁらちゃん。
私はあまり分からないけど、きっと凄いことなんだ!
「それでは、イベントの最後を飾るアイドルの登場です!」
めが姉ぇさんの声で、舞台袖から女の子がゆっくりと歩いて来た。
白銀のふんわりとしたミディアムボブに、アヤメ色をした瞳。
銀河のようなデザインのコーデは、まるで空の星が今ここのステージで光っているみたい。
「10年に1度の天才アイドルと呼ばれる、ヘレンさんです!」
会場中から大歓声が沸き起こる。
ヘレンさんはそれを伏せ気味の目でゆっくりと見回す。
ローラが興奮冷めやらぬ様子で指さした。
「あれがアタシのいとこの天道ヘレン!
同じくキャベツ学園の中学1年なんだけど、アタシと違って正真正銘の『テストは毎回10番以内』なの。
その他にも凄いところがいっぱいあるんだけど、あぁ何から話せば良いのか分からない!」
1人でで頭を抱えてるローラは一旦置いといて、私はステージのヘレンさんに目を向けた。
「確かに凄いオーラ……」
「らぁらちゃんも感じる?」
ヘレンさんからは夜空の一番星みたいな強くて静かな印象を受けた。
「でも、あまりローラと似てないような気も……」
らぁらちゃんの言葉に頷く。
いとこ同士といえども、ローラはまるで夏の海みたいなイメージがある。
「良いもん、いとこ同士だから似てなくたって!」
そう言って少し頬を膨らませてそっぽを向いた。あーあ、拗ねた……。
その時。
「なんだか面白そうね。入れてもらって良い?」
聞き慣れた声がした。
「はなの先輩!」
振り向くと、そこではライブを終えたはなの先輩がにこやかに微笑んでいた。
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ココナッツ食べてみたい - うわー!!三人がチーム組むって最高です!!これからも凄い楽しみです!! (2022年7月3日 3時) (レス) @page37 id: a712576104 (このIDを非表示/違反報告)
れもんどろっぷ。(プロフ) - ココナッツ食べてみたいさん» ありがとうございます!励みになります……(*´∇`*) (2022年4月18日 18時) (レス) id: b284b3bf7b (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ食べてみたい - すっごい面白いです!!これからも頑張って下さい (2022年4月16日 8時) (レス) @page33 id: a712576104 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもんどろっぷ。 | 作成日時:2021年7月27日 18時