【プリパラ】１人のアイドルは日々成長しています。

話を聞かなきゃ ページ27

はぁ……一体ローラとヘレンさんの間には、いつ亀裂が入っちゃったんだろ。
とぼとぼ歩きながら私は考えた。

今日は遅くまで歌唱レッスンをしていたせいで、空には星がチラチラと輝き始めている。
星は良いなぁ、悩みなんか一切無さそうだし。

はぁ、と本日２回目のため息。
ダメだ、このまま帰っても考え事ばかりしちゃいそう。
気分転換に、私は近くの小さな公園に寄り道した。

「……あ」

１つのベンチに目を向けて、私は思わず声が出た。
そのベンチに座っていたのは……なんと、ヘレンさんだった。
小さな双眼鏡でじっと空を見上げている。
これはもしかして……またとないチャンスっ！？
とにかく話しかけてみなくちゃ。

私はそっとヘレンさんに近づいた。

「あの……」

ヘレンさんは双眼鏡から目を離し、私を見つめた。
プリパラで見たのと同じ、アヤメ色の瞳をしている。

「……誰？」

「えっと、私、いすずっていいます。
もしかしたらプリパラアイドルのヘレンさんかなぁって思って、思わず声かけちゃいました」

そう、とだけ言ってヘレンさんはまた双眼鏡を覗いた。
完全に興味無さそう……でも話を聞かなきゃ。
ヘレンさんが座っている隣に腰を下ろした。

「……あなた、帰らなくていいの？」

ヘレンさんからローラのことを聞くまで帰れませんとは言えない……。

「トップアイドルのヘレンさんに、話を聞きたくて。
私、まだまだ研究生ランクなので、色々勉強したいなって思って」

「……」

だ、黙っちゃった……。
どうしよう、このまま膠着してるわけにはいかないのに！

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