18話 ページ20
「そういえば肝心な飲むヨーグルトどうした?」
『あっ、忘れた』
「何しに行ったんだか…」
『しゃーない、お昼終わって教室戻ったら飲むわ』
「おん、そうしてくれ」
先程起こった出来事を恵奈に話したら手を叩きながら爆笑されてしまった。
いわゆる供給過多であったことは間違いない。情報量に頭がこんがらがってまともな回答ができていなかった。
「Aは運がいいんだか悪いんだかわからんな」
『それ、前に櫻木先生にも言われた覚えあるわ』
まあ確かに愛してやまないバレー部員に4人(角名除く)に会えてお話ができたことは運が良いと思うし、家の鍵を落としたことによって恥をかき、角名くんが私をイジるネタが増えたことは運が悪い……のか?いや私多めに損してないか??運悪いどころじゃないなこれ。
「Aはマネージャーの件、本当に嫌なん?」
『え?…うーん、なんやろなあ
私が入って助かるっていうところもあるみたいやけど、私は要らない感情持ち込んじゃうからなぁ』
「でもその要らない感情を知ってるキタさんがやって欲しいって言うとるからウチはそこまで気にしなくていいと思うんやけどね
それにAがそうやって要らない感情だってわかってるんならマネージャー引き受けても良いと思うよ」
『……恵奈ってたまにそういうところあるよね』
「は?どういう意味やコラ。ウチのお言葉をありがたく受け取らんかい」
『そういうところもな』
マネージャーに推薦してきた角名くんはからかいのつもりで推薦してきたのかもしれないけど、そもそも私の事情を知ってる北さんが私みたいなバレー部オタクという言ってしまえば部内の害をマネージャーとして迎え入れようとしてるのが不思議で仕方がない。
「ま、とにかく1回受けてみればええんやない?それでAが何も出来ないただの痛オタクおじゃま虫ってアッチが分かれば辞めればええ」
『言葉のトゲが痛い!も少しオブラートに包んでくれや!』
これ以上私の心の傷を抉られまいと手を前に出し恵奈を制そうとする
「Aはバレーに関わるとなるとちゃんとしてること知ってるよ」
『……うん、もう少し悩んでみる』
「そか」
常々、良い友達を持ったなと思う。
〰〰〰
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気まずッ!!!!!!!!
と、つい先程マネージャーの件を保留という回答を寄越した私をガン見してくる隣の席の治くんに頭を抱えたのはまた別の話である。
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作者名:柚子檸檬 | 作成日時:2024年2月18日 9時