【文スト】ふぅん、私に逆らうんだ？【太宰治】

77#太宰うさぎ ページ34

無事に誤解であった事も判り、二人きりの部屋には穏やかな空気が流れ…

…なんて事はなかった。

穏やかな空気の代わりに、何とも云えない妙な空気が此の部屋に

_________まるで窓を開けた瞬間吹き込む北風のように_________

静かに流れ込んでくる。


「ねぇ…A。私が今日、一体何れ程寂しい思いをしていたか判るかい？」


二人向かい合った儘そう呟いた太宰は、ゆっくりと席を立つ。

私は横に小さく首を振った。

彼は此方を見つめて、冷たい微笑みを浮かべる。

心なしか光が宿っていない様に見える其の目の意味は屹度…


「…兎はね、寂しいと死んじゃうんだよ。」


耳元で囁かれ、彼の甘ったるい声が微かに私の鼓膜を揺らした。

其の上背後から強く抱きしめられるものだから、高鳴る鼓動が五月蝿くて。

今にも破裂しそうな程に脈打つ心臓と、

紅潮しているであろう徐々に熱を帯びていく耳と頬に、

否が応でもと自分の気持ちを教えられる。

…いいのに。こんな気持ちくらい、判ってるよ。

余計に照れるし、教えてくれなくて、大丈夫なのに。


『ひぁっ…！？』


突然耳を甘噛みされ、思わず甘い声が漏れる。

急とはいえあんな声を出してしまった事が恥ずかしくて、咄嗟に下を向いたけれど。


「其れ…煽ってる？」


耳元で囁きながら、

つぅ、と細く長い人差し指が私の唇をなぞった。


『…煽って、ない、っ』


だけど、スイッチの入ってしまった太宰は、

何を云ってもどうしようもない様で。


「ふふ、寂かった分だけ、可愛がらせてよね。」


…翌日も引き続き、

というより前日よりもずっと腰が痛かったなんて云えない。



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本予告出ましたね！！ね！！

太宰さんの薬飲むシーンが本当にもう()

…エrくて素敵だったんですよもう映画楽しみ。

勿論、最推しの中也さんのバイクシーンも要期待！

前売り券6枚買っててよかったな、と思った瞬間です。

何か色々と語りたい事はあるのですが、

恐らく皆さんは作者の話に興味はないと思いますので、

ここで黙りますん。

78#不機嫌な朝→←76#勘違い

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