【文スト】海、割りました。2nd【中原中也】 (ページ13)

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Break57 ページ13

私が目を覚ましてからは、其れはもうかなり慌ただしく時間が過ぎていった。

既に出社時刻_____と云ってもいいのかはわからないけど_____をとっくに過ぎていたけれど、

“私が倒れた”という事情だけ説明して謝り倒したところ、

首領からは“体調には気を付けなさい”とだけ云われ、お咎めもなく一先ず安心。

今日はあまり大きな仕事も入っていないし、やるべき事は書類整理くらいのもの。

それでも出社時刻を過ぎていた事は、ほんの少しだけ私たちの時間を早めた。

まぁそれ以外には、今日はこれといった面倒ごとも問題もない一日だと思う。

でも唯一つ問題があるとすれば、其れは中也さんの様子が可笑しい事かもしれない。

私だって本当はもっと動揺しているべきなんだろうけどね？

昨夜あんな事があったわけだしさぁ。

それであって此処まで落ち着いていられるのは、

私よりあわあわと動揺した様子の幹部サマがいるからなんだよね、っていう。

別にね、私がクールな訳じゃないんだよ。

だってさ、書類確認してもらおうとした時に其方を向いたら、

それは勿論目が合うよね？

其れで目が合った瞬間に思いっきり机に頭ぶつけたり、

お昼を食べてる時に近くで食べてた黒蜥蜴の十人長の立原さんが

「そういえば俺昨日の夜よぉ」っていった瞬間に咽せてパンを喉に詰まらせたり、

そんな事になってたらこっちが逆に冷静になれちゃうよね？

…ていうか、抑も論で、どうして私なのかなとも思うんだけど。

其れはどんなに考えたって中也さんにしかわからない事で、

気紛れだって云われたら其れで終わりで、そこからはもうどうしようもないわけで。

私は既に気付いてしまった、どうしようもない気持ちを抱えていくしかない。

そんな中であんな事されたら、少しは期待したい気持ちも無くはないし…

『ほんっと…莫迦みたいに舞い上がってるじゃん私…っ』

不意打ちのキスも、思わせぶりな言葉も、昨夜の甘い出来事も。

思い出して仕舞えば最高気温なんてもう当てにならないくらい。

…其れくらい、私は彼の人が好きなんだと思う。