掟 ページ1
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私はつい数ヶ月程前に、フョードル率いる異能組織『死の家の鼠』に加入した。
主な仕事は、何処かの組織のコンピュータを弄ったり、
其れを元に敵の動きを予測する、情報を読み切る事。
「あ、Aさん。次は此方をお願いしても?」
『うん、任せて。…あっ、そうだ!あのね、フョードル。
_________外はね、桜が綺麗だよ!!』
「?…そうですか。」
突然声を掛けられる事にも、もう慣れっこ。
最初は勿論凄く怖くて、常に気を張っていた。
でも其れは、私が、彼は怖い人だと勘違いしていたから。
死の家の鼠は、完全なる地下組織。
勧誘されて来てみれば、拠点は普段歩いている地面の下。
どうやら地面に潜る事の出来る異能者が作ったらしい。
異能力を持たない私にとっては、如何やったのかなんて一ミリも想像出来ないけれど。
当たり前だけど、構成員の一人である私の場合は、
買い出しもあるからずっと地下に籠っているわけじゃない。
先刻外出して来たけれど、
外は、満開の桜が花開いていていた。
其れを見上げれば其の桜は、背景の青空に、今にも溶けて吸い込まれそうで。
『混り合ったら、フョードルの瞳の色だね。』
空を見上げた私は、一人、呟いていた。
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作者名:らすく | 作成日時:2017年12月31日 0時