超推理 ページ26
〈太宰side〉
「ねぇ国木田くぅん…Aがね、いないのだよ。」
最初は、出掛けたのかと思っていた。
私が任務に出掛けている最中に、彼女に任務が入ったのだと敦くん。
…そうかい。寂しいねえ。
仕事を終えて疲れて帰ってきたのに、彼女のお出迎えがないとは。
なんて。呑気に云っていた私は莫迦だったと、今更ながらに痛感している。
「で、誰と行ったんだい？」
其れが…と横からナオミちゃんが。
どうやら人手不足でAしか対応できる社員がいなかったらしい。
つまり、一人か…
彼女は迚綺麗だ。そこら辺を歩いているだけでも男がすぐに寄ってくる。
Aが絡まれていたところを何度か相手にしたことがあったっけ。
まぁ、直ぐに尻尾を巻いて逃げていくのだけれど。
「はあぁ〜暇だなぁ〜」
「黙れ唐変木。仕事をしろ。」
国木田くんも、つい先刻護衛の任務から帰ってきたのに、ご苦労様だねぇ。
仕事仕事でよく飽きないものだ。
そこで、一つの疑問が浮かび上がった。
あれ？Aって、何の任務に行ったんだろう？
大したことじゃない。
只、この時ばかりはどうしても気になった。
元マフィア幹部の勘、とでも云っておこうか。
「乱歩さん、鳥渡頼み事が。」
机の上にはラムネの瓶。中で硝子球がキラキラと光る。
駄菓子を口一杯に頬張る乱歩さんに声を掛けた。
「へぇ、太宰が？そりゃ珍しいね！良いよ。で、何？」
「今Aが何処にいるか、解りますか？」
恐らく”何だ、そんな事か”と云われると思っていたが、
あまりに私が真剣な表情をしていたらしい。
浅葱色の目が大きく見開かれた。
そして瞬時に眼鏡をかけて、
「超推理…！！」
少し、表情が変わった。
相変わらず目は見開かれているが、
其の目に浮かんでいるものは先刻と違う。
”期待” ”楽観”から、”失望” ”焦り”へと変わったのが判った。
「太宰！直ぐに社員を集めろ！Aが…Aが拐われた！」
彼女が、拐われた？そんな莫迦な。
まさか、依頼人にか。
携帯には連絡すら入っていない。
気付けなかった。…もしもの事が、あったなら。
自責の念も程々に、乱歩さんが割り出した場所へと、駆け出した。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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きみしにたもー - 確定ｗｗｗ (2017年11月12日 20時) (
レス) id: 8bf6e3ba03 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - きみしにたもーさん» 書いてる本人に変態疑惑…いや、疑惑どころか確定してしまう…っ (2017年11月9日 22時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
きみしにたもー - ぐるぐる読みまくらせていただいていますやっぱ太宰さんいいですねえ（変態疑惑 (2017年11月9日 21時) (レス) id: 8bf6e3ba03 (このIDを非表示/違反報告)
らすく(プロフ) - よひらさん» ありがとうございます！！ぜひぜひ拝見させていただきます！ (2017年11月5日 22時) (レス) id: a72fad02fa (このIDを非表示/違反報告)
よひら - あ、失礼なのですが、良ければ私の書いている小説「双黒の愛娘」見てみて下されれば嬉しいです！ (2017年11月5日 18時) (レス) id: d40f591537 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らすく | 作成日時：2017年9月27日 0時
