内緒な時間ーjump×jumpー

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結局逃げ込んだのは、空き部屋だった楽屋だった。




ｶﾞﾁｬ



「あ、」と思い席を立つと。





「…何があったんだよ、伊野尾。
　ゆっくりでいいから、教えて。」






今、1番聴きたくて、1番聴きたくない声が聞こえた。






振り返れば、やっぱり、薮だった。






「薮にとっての、幸せ、って、んだよ…」







「え、」





「この前の、ドラマ、」



その一言を皮切りに、思っていたことが、どんどん出てきた。




「…2日前、帰ってきた時、TVがあのまんまだった。



　俺、悲しくなったよ、


　子供がほしくたって、授かれないんだよ、？

　同性ってだけなのに、他の恋愛と、何も変わらないのに！」





「もう、薮の幸せが……

　わかんな…」





そう言いかけた時だった。


薮が辛そうな顔をして、





「もういい！

　もういいから……」





そう言って、泣きじゃくる俺を、受け止めてくれる、


優しくて、大きい、その体。




やっぱり、薮には叶わなかった。




「俺の幸せは、お前と、これからも、ずっとずっと、一緒にいること。

　本音を言えば、子供だって欲しい、



　でも、1番優先されるのは、伊野尾との幸せだから。」







「大好き。」




なんてずるいやつだ。







でも、こんなやつを好きになった俺は、絶対間違っていないと思えた。






「ごめんね、

　大好き。」






「…大丈夫だね。

　はい、涙拭いて！家、帰るぞ、」






彼の手を取り、マネージャーの元へ戻った。




大好きだよ。薮。









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