秘密の箱庭ーjump×jumpー (ページ13)

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この胸騒ぎはなんなんだろうな…と考えていると、

「…あれ？侑李どこいった…？」

「僕なら、ここに。」

と目と鼻の先くらいにいた。

「わぁっ……侑李、ビックリさせんなよ…」

「ビックリするも何も、
　慧兄ちゃんが惚けてたんでしょ？

　赤い薔薇30本って…なんの仕事してるんだよ…」

「あぁ、さっきのお客さん？」

「うん。
　ここに初めてきた割には、慣れたように、買いたいもの言ってたよね？」

言われてみれば確かにそうだ。

ここに初めてきて、赤い薔薇30本…なかなか見ない人だと思った。

「仕事はわかんないけど…
　好きな人に愛を伝えようとか…？」

「…考える事は可愛いけど、それはない。」

「なんでそう言い切れるの？」

「…僕の感がそうだって言ってる。」

「…全く侑李ったら…」

「あと多分、あの人、
　たか「き」さん。」

「…え？「ぎ」も「き」も変わんなくね？」

「…全くなのはお兄ちゃんの方じゃんか。」

その後もお客さんというお客さんはあんまり来ないから、

営業時間はほぼ侑李と喋っていた。

でも、喋っていた中でも、

まだ、あの胸騒ぎはあった。

この日を機に、たかぎさんは、

このお店にしょっちゅう顔を出してくれるようになった。

その期間は、侑李が勝手に僕の名前を、たかぎさんに教えたり、

たか「ぎ」ではなく「き」であることが正式に分かったりと、

(それが分かってもなお「ぎ」って呼んでるのは内緒)

たかぎさんの、職業がホストだと言うこともわかり、

距離もかなり近くなっていた。

いつのまにか、さん付けなんて、忘れていて。

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