絶望の希望Ⅳ【ヒロアカ×まどマギ】【爆豪勝己】 (ページ50)

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第１９９話ページ50

リンゴ飴が食べ終わって口が寂しいので串を咥えていると、上鳴がふとこんなことを言った。

「そういや女子たち遅くね？」

その言葉にスマホを確認すると、もう花火開始１０分前だった。

「人多いから戻ってくるの大変なのかな」
「電話してみようか？」

緑谷と飯田の会話と聞き流しながら、なんとなく周囲を見渡した。

「あ、おいあれ！」

と切島が指指す方向には、女子たちと見知らぬ男たち。

「あーつかまったか」
「助け行こうぜ瀬呂」

一見普通に話しているだけだったが、男が麗日の腕を掴んだ。その瞬間、Aは口にくわえていた串を手でおり、スクッと立ち上がった。下駄がからんと音を鳴らす。

「あいつらっ、ってしーちゃん！？」

行こうとした切島と瀬呂より先にAが彼女たちのもとへ駆け出す。

先ほどまでなっていた下駄の音は聞こえなくなっていた。

「君たち可愛いね！」
「っておい、よく見たら雄英女子じゃん！」
「まじ本物！？ラッキー！」
「俺たちと一緒に回んねー？オゴるし！」

(うわぁ、べタなナンパ)

若干引きながらも、他の女子が動揺しているのを感じ取った芦戸は愛想笑いをうかべる。

「ごめんなさーい。私たちこれから行くとこあるの！」

「花火みるんでしょ？一緒に行こうぜ！」

(あーしつこい！)

なかなか引かない男どもに、溜息がつきたくなる。やっぱ切島あたりについてきてもらえばよかったと心の中で後悔した。

どう切り抜けるか頭の中で考えていると、リーダー的男が行動を起こしてきた。

「いいから行こうぜ」

と、麗日の腕を掴んだのだ。

「…！離して、くださっ」

個性を使うわけにもいかない。一般的に力は男の方が強い。引っ張られそうになる麗日にやばいと焦ったその時。

バシッとその男の腕が誰かの手につかまれた。

女子たちの目に移ったのは、高身長の背中で、見慣れない短髪の白髪だった。

「ごめんね？俺の彼女に、何か用？」

どこか聞いたことのあるような低音で、その人は言葉を紡いだ。穏やかな声色であったが、横からうかがえる冷え切った鋭い眼光が男たちを突き刺していた。

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続編行きます。