絶望の希望Ⅳ【ヒロアカ×まどマギ】【爆豪勝己】 (ページ12)

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第１６１話ページ12

Aは目を開けてすっかり暗くなった保須市内であることに安堵しながら、状態を確認した。

どうやら自分は倒れていて、先ほどよりかなり小さくなったリムは腕の中で気を失ったままだ。周囲を見ると、驚いたようにこちらを見るヒーローたちと同級生３人、ととらえた敵が見え、エンデヴァ―がこちらに駆け寄ってくるのがわかった。

身体を起こそうと思ったが、なぜか全く動かない。その上、あの世界にいた行方不明の人々も同じ場所にいないことを確認した。取り残されているのかと思いながら、Aは何とか意識を保つ。ものすごく眠い、恐らくリムの個性の影響が今になってきているのだろう。

「おい！大丈夫か！？ A！！」

エンデヴァ―の心配そうな声を聞きながら、彼に聞こえるように声を出した。

「…とりあえず、大丈夫です……、エンデヴァーさん、すいませんが…イレイザ―ヘッド呼んでおいてもらってもいいですか…」

とりあえずそれだけ伝えて、Aは意識を手放した。

「……あ」

Aが次に目覚めた場所は病院のベットの上だった。なぜかとてつもなく既視感を感じた。

Aが目覚める１日前、緑谷、轟、飯田は警察署所長から資格未取得の状態で保護管理者の指示なく個性で危害を加えたことが立派な規則違反であるとお叱りを受けた。しかし飯田たちが飛び込んだおかげで、その日は一人の死者も出さずにヒーロー殺しを捉える事ができたので警察として褒める事はできないが、署長個人の見解としては英断であったと感謝され、三人の将来も加味した上で、今回の件は不問にされる事になった。もちろん不問であったため、ヒーロー殺しを捕らえたのは３人であると公表はできないので、エンデヴァ―を功労者として発表することになったが。

怪我の検査が一通り終わって、病室にて休んでいた３人であったが、Aもこの病院に入院していることを聞かされ、彼女の病室を訪れていた。

緑谷と飯田は彼女が何をしていたのか、轟から聞き、行方不明事件を一人で解決したことに驚愕の表情を浮かべていた。

「…寝てる」

「みたいだな…、どうやら行方不明事件の原因になった個性が影響しているみたいだが」

こそこそと話す緑谷と轟。彼女はあれからずっと眠り続けていた。

ちなみに翌日、なぜか病院にいた担任に３人とも少し怒られたのは言うまでもない。