第５８話 ページ9
彼が振りかぶる。個性を使わんと。
Aはその相澤のとなりに瞬間移動した。
｢見込み…ゼロ｣
そう呟く彼に被せるように
｢私はそうは思わないですけどね｣
と言葉を零した。いきなりのことに相澤は驚いたようにこちらを向いた。
刹那、ボッ！という砲弾が打ち出されるような音が響いた。
緑谷の投げたボールが遥か彼方へ飛んでいく。
記録、７０５．３メートル。
彼は相澤の方を向き拳を握りしめ
｢先生…まだ動けます！｣
と笑って言っていた。彼は力任せの一振で腕１本犠牲にするのではなく、玉が飛びたす瞬間の指先のみに個性を発動させたのだ。
｢こいつ……！｣
相澤は自分の予想を超える緑谷の行動に口角を上げる。
(…やっぱりすごいや)
1度の思考でここまでのことを。力の調整はまだ出来ない。行使すれば問答無用で１００％を出してしまう。しかしそれだと身体が耐えきれず壊れてしまう。行動不能になる訳にも行かない。だからこそ指１本の犠牲の留めることを思いついた。
かっこいいじゃないか。
まぁそれに納得いかないという顔をした少年が１人。
｢…………！！！｣
爆豪勝己だ。彼は緑谷を無個性だと知っていたからだ。現れた個性に驚きを隠せない。
｢どーいうことだこら、ワケを言えデクてめぇ！｣
と、両手を爆破させながら緑谷に一目散につめよるがそれはあるものに拒まれた。
｢ぐっ…何だこの布！｣
上半身を相澤の捕縛武器で、下半身をAのリボンで。爆破で突破しようにも個性は出ない。
｢何度も個性使わすなよ…。俺はドライアイなんだ！｣
そういう彼にAはほんとに勿体ないなぁと思った。
相澤消太の個性は消去、見ただけで個性を消す。瞬きすると解けるのでドライアイは天敵に近い。
｢かっちゃん。君が何を思ったのもわかる。だけど今は抑えて｣
そう言うと爆豪は抵抗を辞めて大人しくAの横に来た。
その姿を猛犬をてなずける飼い主みたいと誰もが思っていた。
第６種目：上体起こし。
完全魔法少女形態の身体強化により、１５６回。
第７種目：長座体前屈。
素の柔軟性により８９センチメートル。
第８種目：持久走。
時間魔法、空間魔法、跳躍、を駆使して３秒。
こうして個性把握テストは終了した。
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フブキ - 緑谷が「緑屋」になっていましたよ (2021年5月22日 11時) (
レス) id: b8e9bbbdfb (このIDを非表示/違反報告)
インマニエル - あの（相葉消太）って誰ですか？ (2021年4月23日 23時) (レス) id: b8bed17887 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 空間移動に金属矢…まるでとあるお嬢様みたいですね(いい意味で言っております) (2020年10月12日 15時) (レス) id: 19bf75ec07 (このIDを非表示/違反報告)
玲音(プロフ) - 唐瓜さん» ありがとうございます^^* 励みになります！ (2019年11月28日 11時) (レス) id: 6ec3c7d086 (このIDを非表示/違反報告)
唐瓜(プロフ) - はじめまして！面白くて楽しく読んでおりました。再開してくれてとても嬉しいです！！また気ままに更新してくれると嬉しいです！ (2019年11月28日 5時) (レス) id: 3816d577a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲音 | 作成日時：2018年10月22日 23時
