第８４話 ページ35
その後Aが起きたのはすっかり日も暮れて、すっかり窓の外が暗くなった頃だった。
(…くらい、)
ボーっとする頭で、目をぱちぱちさせながら上半身を起こす。
ベッドランプの明かりのみの部屋を見回すが、そこに彼はいなかった。
スマホを見ると、｢しっかりお礼を言って帰ってこい｣という相澤からのメッセージが入っていた。
立ち上がり、部屋を出るとふわっといい香りが脳を刺激する。それにつられてきゅるるるとお腹がなる音がした。
｢…あらら｣
１人で赤面しつつ、階段を下り１階へ。
リビングのドアの前まで行くと、話し声と明かりが盛れてきた。
かちゃり、と静かにドアを開けると彼がこちらに気づいた。
｢起きたンか｣
｢うん。だいぶ楽になったよ。ありがとう｣
そう告げると、彼の母親もこちらに気がついた。
｢お久しぶりね。Aちゃん。｣
｢お久しぶりです。光己さん、勝さん。あの、いろいろとすみません…、助かりました。｣
｢いいのよ。気にしないで。それより、晩御飯食べていって｣
｢え、ご迷惑おかけしたのにそれは…｣
｢遠慮しないで、いろいろ話も聞きたいしさ｣
遠慮がちに断ろうとすると、彼の父親にもそう言われた。
終いには、
｢…いいから、食ってけよ｣
と彼に言われてしまい、なんか、引き下がれなくなってしまった。
｢じゃあ…お言葉に甘えさせていただきます｣
そう言うとご両親はあからさまに嬉しそうな顔をし、彼はうっすら微笑んでいた。
優しい赤に、心臓が貫かれたような気がした。
どうしていいか分からなかったので、とりあえず微笑み返しておいた。
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フブキ - 緑谷が「緑屋」になっていましたよ (2021年5月22日 11時) (
レス) id: b8e9bbbdfb (このIDを非表示/違反報告)
インマニエル - あの（相葉消太）って誰ですか？ (2021年4月23日 23時) (レス) id: b8bed17887 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 空間移動に金属矢…まるでとあるお嬢様みたいですね(いい意味で言っております) (2020年10月12日 15時) (レス) id: 19bf75ec07 (このIDを非表示/違反報告)
玲音(プロフ) - 唐瓜さん» ありがとうございます^^* 励みになります！ (2019年11月28日 11時) (レス) id: 6ec3c7d086 (このIDを非表示/違反報告)
唐瓜(プロフ) - はじめまして！面白くて楽しく読んでおりました。再開してくれてとても嬉しいです！！また気ままに更新してくれると嬉しいです！ (2019年11月28日 5時) (レス) id: 3816d577a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲音 | 作成日時：2018年10月22日 23時
