第８３話 ページ34
――すー、…すー…。
少したって、Aの呼吸が聞こえ始めてくる。
(…寝たンか……)
閉じられた瞳を眺めながら、爆豪はスマホを取り出した。
相澤に「Aが帰宅中に体調不良になって俺ん家で休ませてる。晩飯食わせてちゃんと家まで送る」というメールを送信すると、すぐに返信が返ってきた。
「そういやお前ら幼馴染だったな。すまん。助かる。個性関係で何か異変があったらすぐ連絡しろ」
という返信内容に
(……個性関係……、暴走のことか)
と、小さき頃によく起こった彼女の個性暴走のことを思い出した。確かあれは彼女の体力と精神状態に影響されて起こるはずだ。おそらく相澤はこのことを心配しているのだろう。
(まァ、…大丈夫そうか…)
自分のベッドで寝る彼女の顔色はさほど悪くない。おそらくその心配はないだろう。
その面貌を眺めながら、爆豪は目を細めた。
(……やっぱ、いつ見ても綺麗な面してンな…)
浅い呼吸を吐き出す桃色の唇、きめ細やかな肌、長い睫毛、雪のような真っ白い髪。どうしてこんなにも魅力的な外見をしているのだろうか。
(…、触れてェ)
頭に触れ、髪を梳くと指に絡まることはなくて触っていて心地がいい。
「……ん、」
そのまま撫でていると、Aが寝ぼけながら掌にすり寄ってきた。
「…っ」
その猫のような甘える仕草に動いていた手が止まった。なんだコイツ。
(…可愛いすぎんだろ、……たく、男の部屋でのんきに寝やがって…)
休めといったのは自分なのだが、それにしては無防備というかなんというか。まぁ、それほど自分を信頼してくれているのだろう。
彼女の唇を親指でなぞり、柔らかそこに噛みつきたい衝動を抑える。
(…、こんくらい…されても文句ねェだろ)
――ちゅっ…。
ベッドに座ったまま体をひねり彼女の頬に手を添えて、その額に軽く軽く、羽のような口付けを落とした。
呑気にすやすやと眠るAに表情筋を緩ませた爆豪の顔色は、誰にも見せたことのないような柔らかな表情をしていた。
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フブキ - 緑谷が「緑屋」になっていましたよ (2021年5月22日 11時) (
レス) id: b8e9bbbdfb (このIDを非表示/違反報告)
インマニエル - あの（相葉消太）って誰ですか？ (2021年4月23日 23時) (レス) id: b8bed17887 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 空間移動に金属矢…まるでとあるお嬢様みたいですね(いい意味で言っております) (2020年10月12日 15時) (レス) id: 19bf75ec07 (このIDを非表示/違反報告)
玲音(プロフ) - 唐瓜さん» ありがとうございます^^* 励みになります！ (2019年11月28日 11時) (レス) id: 6ec3c7d086 (このIDを非表示/違反報告)
唐瓜(プロフ) - はじめまして！面白くて楽しく読んでおりました。再開してくれてとても嬉しいです！！また気ままに更新してくれると嬉しいです！ (2019年11月28日 5時) (レス) id: 3816d577a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲音 | 作成日時：2018年10月22日 23時
