第６２話 ページ13
帰り路、爆豪勝己は横で歩く彼女を眺めていてた。
(…遠いな)
今日の彼女の個性把握テストの内容はほとんど見ていた。その個性の強さ、身体能力の高さ、判断力の鋭さ、すべてにおいて彼女はトップクラスのレベルだ。最年少仮免取得者は伊達じゃない。
爆豪は何よりも勝ちを優先する人間。その人間が彼女だけがは己の前にいることを認めていた。理由は明白、その強さを身に染みてわかっているからだ。
しかし、爆豪は知っている。Aにも欠点があることを。
一つは、彼女は救える限りを助けようとしてしまうこと。自分の身を省みずに。
二つは彼女は恐怖心を持ち合わせていないこと。
三つは親しい間柄の人間を無くすことを極端に嫌うこと。
今のところ目につくのはこんなところだ。
それでも守ってやりたいとは思わない。彼女の強さを鑑みればそんなことはおこがましい。だから隣にいようとする。
前でも後ろでもなく。
支えてやりたいから。
爆豪勝己はわかっている。彼女の隣に居続けることはかなり困難なことであることを。それでも決めたのだ。
(…いくらでも追いついてやるわ)
どれだけ差が開いていることも気付いている。焦っていないわけじゃない。望むところだ。
「…かっちゃん？」
自分の視線に気づいたのか、彼女がこちらを見つめていた。
その綺麗な緑に視線を釘付けにされた。
「…なンでもねェよ」
そう言うと彼女は首を傾げる。
その仕草に
(……やっぱ…好きだわ)
と心の中だけで思った。
お互いのスマホの猫のキーホルダーが夕日に反射されて光っていた。
翌日、授業にて。
(…普通だ)
午前中は必修科目などの普通の授業。
昼。
Aは相澤にお弁当を届けたあと、爆豪と一緒に学食にてお昼を食べていた。そこには切島や上鳴もいた。
「しーちゃんお弁当？」
「うんそうだよ」
「うわー卵焼きう上手そう！！」
「食べる？」
上鳴がそう言ったので、差し出してみると彼はぱくっと口に入れた。
俗にいうあーん状態であった。といってもAは全く気にしていないのだが。
「なにこれうま！」
そう言われると悪い気はしない。
「ただの卵焼きだよ」
そう笑うと上鳴は爆豪に殴られていた。なんでキレてんだろと考えると
(…あ、食べたいのかな？)
そう思ったので爆豪にも卵焼きを差し出してみた。
「かっちゃんも食べる？」
そうすると爆豪は目を点にしてこちらを見ていた。
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フブキ - 緑谷が「緑屋」になっていましたよ (2021年5月22日 11時) (
レス) id: b8e9bbbdfb (このIDを非表示/違反報告)
インマニエル - あの（相葉消太）って誰ですか？ (2021年4月23日 23時) (レス) id: b8bed17887 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - 空間移動に金属矢…まるでとあるお嬢様みたいですね(いい意味で言っております) (2020年10月12日 15時) (レス) id: 19bf75ec07 (このIDを非表示/違反報告)
玲音(プロフ) - 唐瓜さん» ありがとうございます^^* 励みになります！ (2019年11月28日 11時) (レス) id: 6ec3c7d086 (このIDを非表示/違反報告)
唐瓜(プロフ) - はじめまして！面白くて楽しく読んでおりました。再開してくれてとても嬉しいです！！また気ままに更新してくれると嬉しいです！ (2019年11月28日 5時) (レス) id: 3816d577a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玲音 | 作成日時：2018年10月22日 23時
