【ＭＨＡ】最強の女だけど救けてほしい３【ヒロアカ】 (ページ46)

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第四十九話　ミアページ46

「焦凍〜！」

「…………お前、もしかしてミアか？」

「そうそうミア！ってなんでわからないの？！高校の時と同じ姿をしてるのに！」

　久しぶりに会った焦凍は、呆然と私のことを見下ろしていた。
　モアが〝イメージ〟で自分の成長を止めている以上、モアと私が並ぶと親子(逆)と間違われてしまう。それが嫌でついさっきアンナの個性を〝コピー〟してきたのだ。

「そんなことより見て見て！私の子供！〝個性〟はモアモアと同じ〝リセット〟なんだ！」

　モアモアの左衛門三郎ゴンザレスは、地球をリセットできる一生に一度しか発動できない稀有な〝個性〟の持ち主だった。
　そのせいで黒の組織？とかいうわけのわからない組織に狙われてたらしいけど、これはモアとファーの作り話だろう。ぶっちゃけありえないし。

「ミア……お前……結婚してたのか……？」

「うんそこから？！いちおー年賀状ん時言ったのに！」

「……見てねぇ」

「超絶人気イケオジヒーローだから許す」

　ま、それでも私と一緒で時々若返るファーには敵わないけどね。でも、JKにキャーキャー言われてるファーを見ても気持ち悪いだけだけど。モアも嫉妬するし。

「あ」

「お」

　五分が過ぎて元の容姿に戻った私は、手を叩いて喜ぶ息子を抱き上げて頬をつねった。

「やめろ。痛がってるだろ」

「これが物間家の教育だったの！まぁ今は物間じゃないけど！シナモンぶっかけられたけど！」

　アントニー、フレッド、爪十に続いた四人目の被害者。なのにアンナは空気を読まずにさっさと結婚していった薄情者だった。

「ミア……って、轟焦凍。いたのですか」

「お」

　焦凍は、久しぶりに会ったモアを見て前のめりになる。いや、今でも好きなんかい。モアは主にナンバー１ヒーロー活動が忙しくて、焦凍は主に教師生活が忙しいみたいだけど。

「A、やっぱり若いな」

　惚れ直したみたいなトーンで話しかけているけれど、焦凍落ち着いて。この人は人妻だし五人の孫を持つモアモアだよ。

「年をとった自分がイメージできないだけです。自分の記憶の中にいる自分が鏡を見る度に出てくることは致し方ないこと……」

　羨ましいことをつらつらと語り、モアは笑う。

　私のモアは、不死に近い人だった。
　私のモアは、二回死んだと言っていたけれどそれは明らかに嘘だった。