【ＭＨＡ】最強の女だけど救けてほしい３【ヒロアカ】 (ページ42)

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第四十五話　アンナページ42

「でんぴぃ〜！お茶ぁ〜！」

「アンちゃん！俺は君の召使いじゃないんだけど？！」

「でもぉ、モアが『上鳴電気はお願いするとなんでもやってくれます。便利です』って言ってたよぉ？」

「マジで？！？！よーし、Aちゃんにそこまで言われたらやるしかねぇなってやるわけないだろ！」

　ノリツッコミをしたでんぴは、他のヒーローたちから笑われていた。モアの同期だからそこそこな地位にいるのに、あまり威厳がないヒーロー。それがアンの大好きなでんぴ〝お兄ちゃん〟だ。

「ケチ！アンがちっちゃい時はオムツ替えてくれたくせにぃ！」

「女子高生がそんなこと言うんじゃありません！どうしてそういうとこだけモアに似るんですか！」

「でもでもぉ、こういうとこがしょーともでんぴも好きだったんでしょお〜？」

「そうだよ〜〜！！好きだったんだよ〜〜！！俺の青春返してくれよ〜〜！！」

　普段会う時はこんなこと絶対に言わないけど、周りの空気も相まってかでんぴは最近こういうことをよく話すようになっていた。
　インターン万歳。モアとファーの事務所に行かなくて本当に良かった。

「よしよしでんぴ！初恋がモアだったから未だに独り身なんだよね！失恋してからもう二十四年なんだっけ？アントニーの年齢足す二年だからわかりやすくてチョー便利ぃ！」

「どうしてそういうとこだけ物間に似てるんだよぉ！！」

「あれあれぇ？！アンが誰に似てるってぇ？！見てわかんないかなぁ、アンはモアに似てるんです！ぷんぷんします！」

「あ、わかる。爆豪が言ってた『クソガキサラブレッド』の意味が今すげーわかる」

　ぷんぷんしながらでんぴに抱きつくけれど、スンッてなったでんぴに効果はなかった。

「…………上鳴電気、アンナ。貴方がたは一体何をしているのですか」

「キャバクラごっこ〜」

　わざとらしくでんぴの頬にキスをすると、明らかにモアが不機嫌になる。

「うぇっ？！ Aちゃん？！いつからそこに？！？！」

「アンナが寧人に似ていると貴方が怒っているところからです」

　そう言うモアも怒っている。相変わらず人の感情がわからない人だなぁ。こんな人に恋をしていたほぼ全員に同情してしまう。

「上鳴電気、貴方は私の娘と結婚する気ですか？寧人が私にしてくれたようにアンナを愛せるのですか？」

　けど、そんなモアのような宇宙一のヒーローになりたくて――アンはこの事務所の扉を叩いたのだった。